もうすでに日常風景と化していますが、去年あたりから深セン中の至るところで大規模な地下鉄拡張工事が行われています。
いつ開通するんだろう？と思われていた方も多いですが、ついに地下鉄5号線＜第2期＞が9/28に開通します！そしてこれを皮切りに、どんどん他の地下鉄も開通していきますよ！
（そして土地の値段もどんどん上昇…）
今回の地下鉄5号線が拡張するエリアは、今後深センが発展するうえで超重要エリアとされているんです。
目次
「前海湾」と「赤湾」がつながる！
まず、5号線は現在どことどこにつながっているのか、見てみましょう。
(第1期)「黄贝岭」ー「前海湾」
すでに運行されている地下鉄5号線<第1期>は、深センの東側 罗湖区にある「黄贝岭」(Huangbeiling)を始発として、ぐるっと北のエリア(龙岗区/龙华区)を回りながら宝安区の「前海湾」(Qianhaiwan)につながっています。
この路線はかなり重要で、高速鉄道の停まる「深圳東」(Shenzhendong)や「深圳北」(Shenzhenbei)と接続しますし、龙岗区/龙华区に住む方の多くにとって、なくてはならない存在なのです。
(第2期)「前海湾」ー「赤湾」
そして今回の <第2期> は、以下のように拡張されます。
前海湾ー桂湾ー前湾ー前湾公园ー马湾ー铁路公园ー荔湾ー赤湾
全長7.6kmで、7駅伸びることになります。
2号線・9号線・15号線と接続予定
前湾駅は9号線(2019年内開通予定)と接続し、铁路公园駅は15号線(開通時期未定)と接続、そして赤湾駅で2号線と接続します。
赤湾は2号線の終点で、蛇口/南山エリア在住者にとってこれまで宝安エリアに地下鉄で行く方法といえば2号線→11号線(后海)/1号線(世界之窗)に乗り換えて行くくらいしか選択肢がなく、少し遠回りで不便だったんですよね。
しかし、今回の5号線開通によってかなりのショートカットになり、宝安空港へのアクセスも楽になります！
また、年内開通予定の9号線も南山／蛇口エリアの人々の導線を塗り替える期待大の路線ですし、15号線は将来高速鉄道のハブになることが期待されている西丽と接続する路線なので、より便利になることは間違い無いですね。
5号線の終端、「赤湾」駅の様子
9/8現在は、まだ始発・終電の時間帯は記載されていませんでしたが着々と整備が進められています。
改札階。このついたての奥に5号線のホームが。
赤湾駅を降りると、至るところで工事が行われています。
実際のところ、現段階で赤湾駅周辺は何もなくけっこう不便な場所なのですが、蛇口エリアにしては地価が安いのでこのあたりに住んでいる方もたくさんおられます。
5号線と接続され、周辺の工事が完了すれば見違えるほどに変わるんでしょうね！
5号線拡張エリアの「前海」とは？
5号線拡張の対象エリアは宝安区の「前海」(Qianhai)というところに位置しています。
地図で見ると…このへんですね。
この「前海」エリア、以前から深センの経済改革の一端を担う存在として取り上げられてきましたが、なぜこんなに注目されるのかロイターの過去記事（2012年）をピックアップしてみますと…
中国の深セン市は経済改革の先頭を走ってきたが、長い間、何かと言えば隣の香港の陰に隠れる存在でもあった。その深セン市が、総額４５０億ドルの「ミニ香港」建設プロジェクトを推進して世の注目を取り戻し、中国が金融大国を目指す上で力を添えようとしている。
このプロジェクトは、深セン市西部の前海地区に新たな金融や物流サービス、情報技術（ＩＴ）産業などの拠点を立ち上げて、低い税率やしっかりした法制度、汚職の厳しい監視といった香港が備えている環境を提供する。香港側にとっても、事業機会拡大の可能性が出てくる。
それから６年後の2018年、JETROや毎日新聞など幾つかの記事を見ると、計画は順調に推移しているようですね。
土地の制約に苦しんでいた香港が、金融事業を境界の外（深セン）に発展させていく「前海プロジェクト」。
「中国（広東）自由貿易試験区」という試験区の一つで「前海金融特区」とも呼ばれ、国際的な金融都市を目指すと同時に、企業の所得税を優遇して経済特区として発展させていくとのこと（最近の香港情勢を鑑みると今後金融都市としての存在感は増していくのかもしれません）。
また、位置的に前海は蛇口とつながっているので、一緒に合わせて「前海・蛇口自由貿易区」と呼ばれることもありますね。港とつながるエリアは強い。
中国の粤港澳大湾区（グレーターベイエリア）構想の重要な一端を担う前海エリア。
周辺のマンション・オフィス群の建設が急ピッチで進められていますが、今回の5号線<第2期>開通によって交通の利便性が一気に上がり、ますます発展していく模様！今後が楽しみです。
