深セン内の最先端施設を見学し、ディスカッションしながらたくさんの情報交換を行なっている「ニコ技深圳コミュニティ」が、今回は「ニコ技深圳観察会」としてもっとディープな工場見学ツアーを11/11に行いました!
今回見学を行ったのは、東莞市にある「WorldSemi」「AQS」「KING CREDIE」の3社、そしてJENESIS!
私のような人間が付いていけるのだろうか…という一抹の不安もありましたが、結果収穫だらけ!
目次
各工場の位置は、大体このあたり。
東莞といっても、割と深センに近い方の東莞になります。
「WorldSemi」→「AQS」→「KING CREDIE」→「JENESIS」と、怒涛の会社訪問です。
まずは、WorldSemi社から!
WorldSemi 社訪問
WorldSemi 社とは?
WorldSemi社(华彩威科技有限公司)とは、業界では超有名なプログラムできるLED 最大手の会社。
公式ページはこちら
「NeoPixel」 シリーズを始め、たくさんの製品を製造しています。WS2812Bというモデルが特に普及しています。
「プログラムできるLED」というのは
簡単に言うと、こういうやつです!
どのタイミングでどの部分を何色に光らせるか、という細かな指定ができるんです。
公式ページにも書かれてありますが、WorldSemiのLEDはビルのライトアップ以外にもバーやKTV、遊園地など至るところで使用されています。
工場外観
WorldSemi社の外観
ビルの一角に工場が入っています。
GM自らプレゼンテーション
GMの伊さん自らお出迎え。
今回の参加者は、メイカーフェア深セン2019で出展されていたエンジニアの方も多く、Worldsemi社のLEDヘビーユーザー。
伊さんは回路図を書きながら機能の説明をし、また次期製品について意見を求めることも。
この会話、録音しておけばよかった…日本側の参加者はほとんどがエンジニアなので、伊さんと同じレベルで専門的な会話が進められ、話が加速していきます。
現場の観点から作って欲しい製品アイデアや要望も出てヒートアップ。そしてユーザーの声を真摯に聞く伊さん。
ハイレベルです。本当にハイレベル。見学をすることすら忘れてしまう勢いで会話は尽きず…
工場見学
いよいよ工場見学!
部屋はそんなに広くありませんが、コンパクトな機械が敷き詰められ、効率的に作業が行われています。
ワイヤーを付け、極小のチップを乗せていきます。
静止画だと分かりませんが、超高速で行なっているんです。
顕微鏡で拡大すると、こんな感じ
オートメーション化しているので、工場内にいる作業員の数は少ない。
きちんと点灯するか検査後パッケージングされ、出荷されます。
ここで作られたLEDは1ピース数円から買うことができ、とても安価で月に数千万個も出荷されているとのこと。
次期アップデート製品の説明もありました。
性能は毎年どんどん向上し、消費電力は少なくなり、小型化も進んでいます。
深センを象徴するLED。その誕生を目撃できるWorldSemi工場。日進月歩の技術の進歩も肌で感じることができます!
YouTubeビデオも作成
画像だけだと分かりづらいため、YouTubeビデオも作成しました。
AQS社訪問
次に訪問したのはAQS社。
AQS社は、シリコンバレーに本社を構える世界的なEMS(Electronics Manufacturing Service: 電子機器製造 受託サービス)企業。
カリフォルニアのフリーモント/東莞/深圳/香港/韓国にも工場やオフィスがあります。
公式サイトはこちら
AQSでは、クラウドファンディングに出品されている様々なアイデアプロダクト/ハードウェアの製造も行っています。(写真は撮れませんでしたがいくつかの事例を教えてくださいました)
でも作るだけではなくサプライチェーンのマネジメントやパッケージデザイン、マーケティングやコンサルティングなど至れり尽くせりのサポートもしているのだそう。
公式サイトには詳しい情報が記載されていますので、ご興味ある方はぜひアクセスを!
KING CREDIE社訪問
KING CREDIE社とは?
続いてやってきたのは、KING CREDIE(诚和迅智能科技有限公司)社。
この会社、PCBと呼ばれるプリント基板を作っています。
基板って何かというと、こういうやつですね。
電気製品の大元となるのがこれ。この板の上に電子部品がはんだ付けされていくのです。
スマホもPCもタブレットもロボット掃除機もデジカメもこれがなかったらただの箱。超重要なパーツなんですよ!
公式サイトはこちら
工場見学
写真撮りすぎたので読み込みが遅いかもしれません(これでも抜粋したのですが…)
ボードに穴を開けています。
基板の中の不要な銅を除去するために「感光」という工程を行ないます。
光に反応する感光剤を基板の銅の面に塗布して、銅を残したい部分にインクを付けます。
その後、紫外線を当てて溶剤で溶かすと
インクの付いた範囲だけが基板の上に残ります。(正確に言うとインクも溶けて、その下の銅の部分だけが残る)
その結果、こうなります。
見事に基板っぽくなりましたね。
人間が見るための文字とかマークを印刷します。「シルクスクリーン印刷」と呼ばれます。
版画みたいな作業をしていました。
他にも、洗浄したりテストしたり、いくつかの工程を経てできあがりです。
普段は絶対お目にかかれない基板の誕生の瞬間。。。深センにいるといいことありますねぇ(東莞だけど)
YouTubeビデオ作成!
やはり動画で見たほうがいいですね。YouTubeアップしましたのでご覧ください!
そしてJENESISへ!
緊急事態発生
…なのですが、なんとバスの運転手さんが目的地を間違えてしまいました。
JENESISの場所は南山区と宝安区のちょうど境目くらいの位置にあるのですが、着いたのは宝安空港よりも上のあたり。
なぜかというと住所が非常に似ているからです。JENESISは「润恒鼎丰产业园」というところなのですが、
運転手さんは「润恒鼎丰高新产业园」と認識していました。(下の地図です)
いや、これは間違える。。。名前が似過ぎてる!
遅れに遅れて夜8時くらいに到着したのですが、工場は明々と稼働中。
Geek中国語講座
到着するとまず、先日のメイカーフェア深センでも出展をしておられた「日本Geek中文学会」代表 中野志穂さんによる、中国語講座の動画がいきなり再生されました。
「みんなの大好きな〜...huá qiáng běi!」
JENESISは現在24時間体制で生産中!
夜8時でも工場は普通に稼働していました。
なぜかというと最近のJENESISはシフト制で24時間稼働しているとのこと!
生産が追い付かないほど絶好調なのだそうです。ずっと右肩上がり!
工場内部も駆け足で見学しました。WorldSemiやKING CREDIEも共通しているのが、綺麗なこと。
品質に影響する清潔さの面でも一流の工場はきちんとしているのが分かります。
懇親会は「潮膳馆美食城」にて
このコミュニティでいつも楽しみにしているのが、最後の懇親会です。
なぜなら、間違いなく美味しいレストランで食事ができるから!
今回も美味しい広東料理でした。お勧めです。
記事冒頭でも言いましたが、今回参加者の大半は日本からメイカーフェア深センに参加された方々で超一流のエンジニアばかり。
食事会での話題も無駄話などは一切なく、各分野での知識レベルを引き上げてくれるものです。すごいですよ。
ニコ技深圳コミュニティの次回イベント情報はこちらから
今回は人数限定の特にディープな観察会でしたが、ニコ技深圳コミュニティは毎月なにかしらのイベントが計画されています。
2019年末には、ビールのミートアップイベントもあるそうですね。
興味おありの方は以下のfacebookページをチェックしてみてください!