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【盛唐法律事務所】「女子従業員の定年退職年齢」に関する法的解説

中国の法律情報に詳しい、日系企業向け法律事務所「盛唐法律事務所」からのお知らせです。

今回は、中国における「女子従業員の定年退職年齢」に関する問題の解決方法について解説します。中国では「工人」と「幹部」で女性従業員の定年退職年齢が異なるため、たびたび争いが生じやすくなっているのだそう。

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Shenzhen Fanの読者の皆様こんにちは、日本人法律家、大嶽(オオダケ)です。

日系企業も、中国で操業されている月日が長くなるにつれて、定年退職する従業員の方が増えてきたのではないでしょうか。中国においては、男子と女子で定年退職年齢が異なり、また、女子の場合は、「幹部」に該当するか、「工人(ワーカーさんのこと)」に該当するかによって、定年退職の年齢が異なっています。そのため、女子従業員の定年退職にあたっては、50歳で定年退職するのか、55歳で定年退職になるのかという問題で争いが生じやすくなっています。そこで、今回は、中国における女子従業員の定年退職年齢について解説させていただきます。

一、女子従業員の定年退職年齢の確定方法

1、社会保険局のシステムを確認する

まず、女子従業員の定年退職の年齢が55歳なのか、50歳なのかをどのように確認するかということですが、実務においては、まずは社会保険局のシステムを確認することをお勧めします。つまり、社会保険局のシステムにおいて、女子従業員の身分が「幹部」として登録されている場合は55歳で定年退職、「工人」として登録されている場合は50歳で定年退職ということによります。このタイミングで養老保険を納付することができなくなり、受給を開始できるようになるからです。

2、「管理職」に該当すれば身分を「幹部」に変更できる

社会保険局のシステムにおいて「工人」として登録されている場合でも、その女子従業員が55歳まで働くことを希望する場合に、社会保険局のシステム上の身分を「工人」から「幹部」に変更することが可能なケースがあります。基本的には、現在の会社における職位が「管理職」に該当するといえるか否かによって判断されます。その女子従業員が、労働契約書に約定される職位や会社組織図、実際に行っている業務内容からして管理職に該当するとみとめられる場合は、社会保険局のシステムを「工人」から「幹部」に変更することができるでしょう。この場合、定年退職年齢は、55歳となります。

3、会社が同意する場合、「管理職」でなくても「幹部」に変更できるか?

実務におきましては、企業が従業員の身分を「工人」から「幹部」に変更したいとする場合、社会保険局にとっては、社会保険料の納付をより多く集めることができますので、基本的にこれに反対する蓋然性は低いのではないかと考えます。但し、その女子従業員が「管理職」に該当しない場合は、社会保険局から「幹部」身分ではないため変更できないと判断される可能性はあります。その場合は、50歳で定年退職手続きをすることになります。最終的な結果は、社会保険局の判断になりますので、具体的な事案につきましては、管轄の社会保険局にヒアリングを実施ください。

逆に、事実上「管理職」である女子従業員の身分が、社会保険局のシステムで「工人」として登録されている場合に、本人が50歳での退職を希望している場合は、実務上、そのまま50歳で定年退職手続きをすることができます。

4、「幹部」となれる「管理職」の定義について

前述のとおり、一般企業において「管理職」に就いていれば、「幹部」と認定されて55歳で定年退職ということになるのですが、中国の労働法令は、この「幹部」についても、「管理職」についても定義を明らかにしていません。

一般的には、企業において中級以上の「管理職」である場合に、「幹部」と判断できるとされています。一方で、一般的なワーカーさん、事務員さんの場合は、「工人」と判断されます。

実務においては、まずは労働契約書を確認します。労働契約書に約定されている職位が、中級以上の「管理職」に当たる場合は、「幹部」であると判断できます。労働契約書上の約定では判断できない場合は、実際に勤務している職位が、「管理職」にあたるかどうかをもって判断します。最終的には社会保険局の判断になります。

二、「定年退職年齢は55歳だ」と主張された場合

50歳で定年退職となる女子従業員が、自分は幹部であるから55歳が定年退職年齢だと主張してきた場合の対処方法について

まずは、その女子従業員の労働契約書に約定されている職位が「管理職」に該当するかどうかを確認します、次に、会社組織図及び具体的な職位職責から、「管理職」に該当するかを総合的に判断します。会社として判断が難しい場合は、社会保険局にヒアリングをすることもできるでしょう。

その結果、会社が「工人」に該当すると考えた場合は、50歳で定年退職となる旨、まずは本人を説得してみるべきでしょう。

社会保険局のシステムにおいて、対象者の身分が「工人」になっているものの、本人が、どうしても、自分は「幹部」に該当するはずだから定年退職年齢は55歳だと主張した場合、まずは、本人同行にて社会保険局に赴き、本人自らに、身分を「幹部」に変更できるかどうかを確認させることがよいでしょう。

社会保険局が、「工人」身分であると認定した場合は、50歳で定年退職手続きをすればよいです。社会保険局が、対象者はその職位が「管理職」に該当するため「幹部」身分に変更されるべきと判断した場合は、55歳になったときに定年退職をすることになります。

三、終わりに

 今回の記事は如何でしたか?

皆さんにとって有益な記事を書き続けるように努力してまいります。

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