中華圏都市別在留邦人数(2019-2023)、上海・広州・蘇州・深センは微増

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ここ数年の中国在留邦人数はどのような推移をたどってきたのでしょうか?

当データは、外務省にて公開されている令和5年(2023年)10月1日現在の「海外在留邦人数調査統計」推計を元に、中華圏主要都市の在留邦人(海外に3ヶ月以上在留している日本国籍を有する者)数を抽出し、グラフ化しました。

海外における在留邦人数はコロナ禍以降減少の一途ですが、上海・広州・蘇州・深センは意外にも2023年には増加に転じています。

国(地域)別在留邦人数推移:米国と中国で40%近くを占める

まずは世界のデータから。

令和5年(2023年)10月1日現在の推計で、日本国領土外に在留する邦人の総数は129万3,565人で、前年より 1万4,950人(1.1%)の減少です。国別では、米国に在留邦人全体の32.1%(41万4,615人)、中国に7.9%(10万1,786人)がそれぞれ在留しており、両国で在留邦人の39.9%を占めています。

国(地域)別在留邦人数推計上位25位推移(海外在留邦人数調査統計より)

上記の表から上位15位の推移をグラフ化しました。1位米国と2位中国との差は歴然です。2020年のコロナ禍を境に各国とも減少傾向ですが、実は中国においては、2012年に在留邦人者数が150,399人を記録して以来減少に転じており、毎年マイナス3-4%ほどで推移してきました。しかし2023年は以前として減少であるものの、減少幅は-0.3%となり在留邦人の数はいったん下げ止まったようにも見受けられます。

全体として、海外在留邦人数は2019年がピークでした。とはいえ永住者数は相変わらず増え続けており、それ以上に長期滞在者数が急激に減少している構図が見えてきます。

海外在留邦人数推計推移(海外在留邦人数調査統計より)

都市別在留邦人数推計:上海は4位、香港は10位

続いて、都市別の在留邦人数ランキングは以下の通り。

都市別在留邦人数推計上位1−25位推移(海外在留邦人数調査統計より)
都市別在留邦人数推計上位26ー50位推移(海外在留邦人数調査統計より)

37,315人の上海は4位、22,930人の香港は10位です。バンコクは特に顕著ですが、上位の在留邦人数は軒並み減少傾向です。しかし一方で上海は2023年から微増に転じており、香港も減少幅はわずか1%です。

中華圏都市別在留邦人数ランキング:上海・広州・蘇州・深センは増加に転じる

そして、上記の都市別在留邦人数ランキングから中華圏のみを取り出した表がこちら。

北京は激減している一方で、上海・広州・蘇州・深圳は2023年より増加に転じています。

2019年からの推移をグラフにすると以下のようになりますが、(北京以外は)2022年に減少の底を打ったように見えます。

冒頭にも記載しましたが、「在留邦人」の定義は「海外に3ヶ月以上在留している日本国籍を有する者」なので、3ヶ月未満の出張者や旅行者などは含まれていません。そのため実際の中国に滞在している日本人の数はもっと多くなります。

今後はどのように変化していくのでしょうか。ノービザでの渡航がいまだ許可されていない状態から円安という新たな要因が加わった2024年の推移に注目です。

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