
1月21日、深セン初の海底トンネル「馬湾海底トンネル」が開通しました。このトンネルは前海湾で隔たれていた蛇口側と宝安中心エリアをつなぐ画期的なルートとなります。
トンネル開通により旅客輸送と貨物輸送の交通分離が実現し、前海エリアの交通渋滞が大幅に緩和されます。
「馬湾海底トンネル」
馬湾海底トンネルの正式な中国語名は「妈湾海底隧道」と呼ばれており、前海と大铲湾港区を結ぶ海底トンネルです。月亮湾大道から始まり、テンセントの未来都市「NET CITY」を通り抜け、西乡大道が終着点となる全長約 8.05 kmのトンネルです。
トンネルの地下道路は都市高速道路で、設計速度は時速80キロメートル、6車線の双方向通行です。地上道路は都市幹線道路で、設計速度は時速40キロメートル、6車線の双方向通行です。

当初は2023年に開通予定でしたが、工期の遅れにより2025年開通の運びとなりました。
トンネル開通による効果
馬湾海底トンネルの完成により、南山区の貨物航路(妈湾港、赤湾港、大铲湾、蛇口港)や、妈湾と赤湾間の旅客輸送もつながりました。
さらに、前海地区の旅客輸送と貨物輸送の交通分離が実現し(「客貨分離」と呼ばれています)、前海地上交通部分の渋滞が緩和され、交通ネットワークが改善されます。トンネル開通により、大型コンテナトラックは海底トンネルを使用することになり、騒音や粉塵も大幅に減少することが期待されています。

複雑な地質構造
当海底トンネルは、海を横断する2つのシールドトンネルから構成されています。左側は「鹏程号」シールドマシン(総延長2,060メートル)によって、右側は「妈湾号」シールドマシン(総延長2,063メートル)によって掘削されました。トンネル掘削機はドイツのHerrenknecht社と上海隧道工程有限責任公司が共同開発したもので最大掘削直径は中国最大の15.5mとなります。

しかし、トンネル建設にあたって複雑な地質構造が大きな課題となりました。地層の50%が不均一な岩層、34.15%が全面的に硬い岩層のため、機器は高強度の岩層を長距離横断しなければならず、建設は困難を極めた模様。加えて海底トンネルは水深40メートル以上の場所に位置し、最大水圧は500キロパスカル、岩の強度は最大193メガパスカルに達するため、機器の性能と建設技術には極めて高い水準が要求されました。様々な新技術を採用し、難題を克服していった結果、当海底トンネル建設プロジェクトは建設技術の分野で合計85以上の賞を受賞しました。

市交通運輸局は当海底トンネルにとどまらず、今後は桥城东路の北側延伸など複数の主要交通プロジェクトの建設を加速して深圳市の交通ネットワークシステムの改善を進めていくようです。

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