
すでに幾つかのメディアでも報道されていますが、広東省は2/24付けで新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)に関連して公衆衛生の緊急レベルを、レベル1からレベル2に緩和しました。
とはいえ、広東省エリア内のすべての地域は引き続き段階的な予防と管理作業を実施し続けることが求められています。
Source:
广东卫生在线:广东调整为二级响应,不代表疫情拐点到来!官方指引来了
GRTRadio:GD adjusts public health emergency level to level II广东一级响应调整为二级
目次
内容をピックアップしてお伝えします。
広東省人民政府情報局発表
新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の発生以来、中国本土のすべての州と自治体は公衆衛生上の緊急事態に対する緊急レベル1の対応を開始していました(広東省は1月23日に開始)。
2/24 16時、広東省人民政府情報局は広州で記者会見を開き、広東省の新型コロナウイルス肺炎の流行と予防と制御に関する作業について報告し、同省の流行に対する緊急対応レベルを、第1段階から第2段階に調整しました。
他の省も緊急レベルを調整
2/24の時点で、以下の省がレベルを調整しました。
- レベル2
広東省、山西省- レベル3
甘粛省、遼寧省、貴州省、雲南省
コロナウイルス肺炎の流行予防と制御は、段階的な結果を達成した
新型コロナウイルス肺炎の発生以来、広東省は「外部防衛入力、内部不拡散」作業を実施し、予防と制御の段階的な結果を達成したとのこと。

以下の成果が取り上げられています。
- 広東省の新型肺炎の新規症例数は1月31日に127件のピークに達した後、連続して減少し、最近8日連続で10件を下回った。
- 確認された症例を報告した郡は徐々に減少し、エリア内の都市部の91.4%は7日連続で新たに確認された症例は確認されなかった。
- 湖北省を除く全国の省で1日当たりの新規確認件数は21日連続で減少傾向にある。
現在もリスクは依然存在する
ただ、当局も楽観視はしておらず、広東省は流行の不確実性とリスクに直面していることを冷静に認識していると述べました。
特に以下のリスクが取り上げられています。
- 「再生産者」(業務を開始する労働者)の移動性が高まりつつある。 広東省は移民人口が多い省なので今後も1000万ほどの人が流入する。
- 春節期間中に、ほとんどの住民は自宅内にとどまっていたため、今後生産活動を開始していくにあたり、工場など局所的なアウトブレイクのリスクは依然として存在する。
広東省新冠肺炎予防・管理司令部は、広東省の新型肺炎流行に対する分類・防除に関するガイドラインを公表し、今後も発生状況に応じて動的調整を行っていくとのことです。
レベル1とレベル2の違いは?
- レベル I
国務院の意思決定と統一司令部に従って、地方司令部が行政区域内の緊急処分を組織し、調整する。特に重大な公衆衛生上の緊急事態を意味する。- レベル II
地方司令部が指揮メンバーと専門家を組織し、分析・判断を行い、公衆衛生上の緊急事態の影響とその開発動向を総合的に評価し、地方人民政府(この場合は広東省)が対応を開始。国務院及びその関連部門に速やかに報告。
以下のように判断されるとのこと。
レベル I
- 30人以上の死亡(行方不明者を含む)、または30人以上の生命と安全を危険にさらした場合、または100人以上の中毒(重傷)、または1億元以上の直接的な経済的損失を被った特に重大な安全生産事故。
- 10万人以上の安全生産事故の緊急移転が必要となる。
- 地方(地区、市)の人民政府の緊急処分能力を超える安全生産事故。
- 地方行政区、地域間(産業・部門)を横断する安全生産事故災害。
- 国務院の指導部は、国務院の安全保障委員会による対応が必要であると認められる安全生産事故。
レベル II
- 10人以上、30人以下の死亡(行方不明者を含む)、または10人以上、30人以下の生命の安全を危険にさらした場合、または50人以上、100人以下の中毒(重傷)、または直接の経済的損失が5000万元以上、1億元以下の安全生産事故。
- 市(土地、州)の人民政府の緊急対応能力を超える安全生産事故。
- 自治体・地域レベルの行政区域における安全生産事故
- 地方(地区、市町村)の人民政府による対応が必要であると認められる安全生産事故。
レベル2になっても対応は変わらない。
今回の新型コロナウイルス肺炎の流行は予防と制御が最も困難な公衆衛生上の緊急事態と認識されており、レベル2になっても気を緩めることなく予防と制御に最新の注意を払うようにと述べられています。
また、今後生産活動は回復していきますが、マスクを着用し引き続き各自で感染防止に努めるようにと勧められています。
発表資料を見ると、当局はレベルを2に引き下げても楽観視してはおらず変わらない警戒を続けていることが分かります。これは市民にとって安心できる要素ですね。今後も気を緩めることなく自己防衛を続けていきましょう。