4月15日に、深圳統計局と国家統計局の調査チームは、「深センの2019年国家経済社会開発統計速報」を発表しました。
2018年は、深センのGDPが香港を抜いたことで大きなニュースになりましたが、2019年はどうなったのでしょうか?新型コロナウイルスの影響を受ける直前のGDP…気になりますね。
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目次
2019年 中国GDPベスト10
まずは基本情報から。
先月(3月)に人民網等のメディアで報道された内容によると、全国の2019年GDPベスト10は以下の通り。
- 上海
- 北京
- 深セン
- 広州
- 重慶
- 蘇州
- 武漢
- 成都
- 杭州
- 天津
2019年の中国全体のGDPは98兆860億元。
成長率は6.1%で、2018年の6.6%から鈍化したという報道もありましたね。
1位の上海は、3兆8,155億3,200万元(6.0%増加)、2位の北京は、3兆5,371億3,000万元(6.1%増加)
では3位の深センは?…内訳を見てみましょう。
2019年 深センGDPは、2兆6,927億900万元!前年比6.7%増加
深センの2019年GDPは、2兆6,927億9,000万元!成長率も前年比6.7%の増加です。
深センのトップ3: 1.南山区 2.龍崗区 3.福田区
2019年の各地区の総GDPランキングは2018年と比較して変化しておらず、トップ3は以下の通り。
- 南山区:6,103億 6,900万元(7.6% 増)
- 龍崗区:4,685億 7,800万元(8.1% 増)
- 福田区:4,546億 5,000万元(7.2% 増)
- 宝安区:3,853億 5,800万元(6.6% 増)
- 龍華区:2,510億 7,700万元(2.5% 増)
- 羅湖区:2,390億 2,600万元(6.8% 増)
- 光明区:1,020億 9,200万元(8.0% 増)
- 坪山区: 760億 8,700万元(8.5% 増)
- 塩田区: 656億 4,800万元(8.2% 増)
- 大鵬新区:351億 4,400万元(5.5% 増)
- 深汕特别合作区:46億8,000万元(23.1% 増)
GDP成長率が8%以上のエリアもあります。各区のデータを見てみましょう。
1位:南山区
中でも注目すべきは南山区。ついにGDPが6,000億元を突破しました!
これにより、南山区は広東省でGDPが6,000億元を超えた最初の区になりました。同時に南山区は広東省内でGDPが7年連続1位にランクされています。
大台を超えたのはすごいことですが、実は南山区、2018年のGDP成長率はガクンと落ちて4.5%になっていました。それが2019年は7.6%に達したことは注目に値します。再び上昇して勢いを取り戻しました。
南山区は深センの観光拠点でもあります。世界之窗、欢乐谷、锦绣中华、海上世界、青青世界、野生动物园、南头古城などの有名な観光スポットがあります。
そして、益田假日里、海岸城、益田假日广场、京基百纳广场、以及欢乐海岸、海上世界などの大型ショッピングモールも多いですね。
2位:龍崗区
龍崗区は深センでもトップ2の地位を維持し、2019年は4,685億7,800万元。成長率も8.1%と相変わらず絶好調。
でも龍崗は北の方にあってあまりアクセスも良くないですよね。。。なんでこんなに成長してるの?
地理に詳しい方はお分かりだと思いますが、そうです。龍崗区には、あのHuawei(華為)本社があるのです!それだけでなく工業地帯としても有名なんですね。
また、龍崗区の観光スポットは、红立方、甘坑客家小镇、园山风景区、大芬油画村、求水山公园や、大运中心体育馆などもあり、意外と見どころ満載でたくさんの訪問者が来るエリアなんですよ。
3位:福田区
福田区の2019年GDPは、4,546億5,000万元。成長率は7.2%。
言わずと知れた深センの中心市街地。市政委員会と政府の所在地でもあり、深センの行政、文化、金融、情報の中心地です。
また、红树林、园博园、莲花山公园、荔枝公园、梅林公园、笔架山など多くの観光資源もあり、パビリオンも充実。「会展中心」という国際展示会も毎週盛況ですし、博物馆、音乐厅、少年宫、中心书城もあります。
大型ショッピングセンターは、coco park、连城新天地、中心城、kk one、茂业百货などが有名。2019年にオープンした超巨大モール卓悦中心(One Avenue)もあります。
そして、みんな大好き華強北も!
4位:宝安区
深セン唯一の国際空港がある宝安の2019年GDPは、3,853億5,800万元。成長率は6.6%。
宝安区の観光スポットには、西湾红树林、万丰湖湿地公园、簕杜鹃谷、海上田园、凤凰山、凤凰古村、宝安公园などがあり、無形文化遺産も豊富。
さらに、宝安区は文化的観光プロジェクトを推進しているとのこと。滨海文化公园など海に面している特性を生かしてベイエリアを活気あるものとしていきます。
ショッピングモールも充実していますね。海雅缤纷城、西乡汇一城、时代城、沙井京基百纳なども人気。
5位:龍華区
龍華区のGDPは以外にも羅湖区より大きい2,510億7,700万元、ですが…
成長率はワーストの2.5%となっています。輸出入関連があまり良くなかったようです。
龍華区の観光資源には、深圳北駅の中心公园、白石龙音乐主题公园、观澜版画村、山水田园、そして先日ご紹介した世界最大のゴルフコースのある观澜湖大地生态艺术园(Mission Hills)、羊台山などがあります。
ショッピングモールは、壹方天地、九方购物中心、coco city、ico时尚购物、AT MALLなどがあります。
自然が豊かなので、それも大事にしながら開発していって欲しいところ。
6位:羅湖区
2019年のGDPは2,390億2,600万元。成長率は6.8%。
羅湖は、教育や医療などの公共サービスが充実。伝統産業もあり、成熟している感があります。
羅湖区の観光資源は、地王观光、梧桐山、仙湖植物园、洪湖公园、东湖公园、人民公园など豊富。
ショッピングモールも多く、深センを観光する旅行者は一度は訪れるところですね。
地王购物中心、万象城、喜荟城、KK MALL、1234space金光华广场など。そして有名な东门老街もこのエリア。
7位:光明区
光明区の2019年GDPは、1,020億9,200万元です。成長率は8.0%
光明区は緑が多く、光明小镇欢乐田园、大顶岭绿道、光明农场、红花山公园、鹅颈水生态湿地公园など、家族で遊べる場所もたくさんあります。
光明区は世界クラスの科学都市として深セン北部の建設を加速中。光明区の大きな弱点は内陸にあるが故にアクセスが悪いという点でしたが、先日お伝えしたように2020年8月に地下鉄6号線が開通予定ですし、栄えていく要素しかありません!
8位:坪山区
坪山区のGDPは760億8,700万元ですが、8.5%の成長率。対外貿易の輸入と輸出が牽引しているようです。
坪山区は深センの客家の人々が集まる場所で、有名な客家の家である龙田世居などがあります。聚龙山公园や坪山中心公园も観光スポットとして有名。
9位:塩田区
2019年のGDPは656億4,800万元。
塩田区は海に面していて、世界最大級のコンテナ船が入港できる塩田港が有名。コンテナターミナルの街というイメージを持っている方も多いと思われます。保税区もあり自由貿易の物流基地として着実に発展しています。GDP成長率は8.2%!
GDPの順位は下から数えた方が早い9位ですが、現在は2号線に接続する地下鉄8号線が建設中で、この路線が開通すると羅湖へのアクセスが格段に良くなり街並みもガラッと変わるはず!
観光スポットも充実。东部华侨城、大梅沙、小梅沙、小梅沙海洋世界、盐田海滨栈道、中英街、鸳鸯谷、烟墩山国际友好公园、海山公园などたくさんありますね。
10位:大鵬新区
2019年のGDPは351億4,400万元。
大鵬は深センで一番新しい区ですが、GDP成長率は前年比5.5%の増加。
大鵬新区は観光資源がとても豊富です。大鹏所城、西涌、东涌、较场尾、杨梅坑、七娘山など、あまり聞き慣れない地名が観光スポットとして人気なのです。
深センの東端に位置しているため中心部からだと車やバスで数時間かかるのですが、行ってみると本当にいいところ!このあたりも徐々にご紹介していきますね!
11位:深汕特别合作区
実は深センのGDPには、上記で挙げた深センの10区の他にもう一つのエリアが含まれています。
その名前は「深汕特别合作区」(Shen-Shan Special Cooperation Zone)。深セン市と汕尾市が協力して2011年に開発を始めました。
広東省汕尾市にあり、深センの「10 + 1」とも呼ばれるこのエリア。2019年のGDPは46億8,000万元ですが、GDP成長率では23.1%という数字を叩き出しています。大規模な建設・開発も進行中で、今後も伸びていくエリアです。
2020年第1四半期の中国GDPは、マイナス6.8%
4月17日に中国国家統計局が発表したデータによると、
2020年第1四半期(1-3月)の中国全体のGDP(概算)は20兆6,504億元で、前年同期比6.8%減とのこと。
もちろん原因は新型コロナウイルスによるものですが、深センも例外なく影響が出ています。
これは仕方ないので、今後どの程度回復していくのか注視していきたいと思います。