ついにこの日が来たか…
いわゆるキラキラした深センとは対照的な、昔ながらの地元の風情を保つ白石洲。
長い間、白石洲は再開発により付近一帯が解体されるという話は進んでいましたが、2020年に入ってからいよいよ現実のものとなります。
特に「白石洲美食城」と呼ばれるエリアは、クラフトビールで有名な「PEKO」「Bionic Brew」や、ピザ専門店「NYPD」など、地元中国人だけでなく外国人にも人気で、夏はいつも屋外のテーブルでビールを飲んで楽しむ人で溢れていました。
Source:
深圳之窗:“楼已清空,非请勿入”…白石洲15万深漂人撤了吗?
百优精酿BionicBrew: 告别白石洲 | Farewell to Baishizhou
目次
白石洲美食城の有名店
冒頭で挙げた「PEKO」「Bionic Brew」「NYPD」以外にも、「八合里海记」というしゃぶしゃぶのチェーン店は有名ですね。
以下の写真のように、外に椅子とテーブルを出して楽しむスタイルなので周辺のお店からそれぞれ好きな食べ物を購入してシェアし合うこともできました。
夜になると、このように赤々とした明かりが灯されて賑わいを見せていました。完全に白石洲の名物でしたね。
深センを訪れる旅行者の方に紹介するスポットの一つとしても有名でした。
PEKO(精酿吧)
「PEKO」「NYPD」「Bionic Brew」は隣同士に隣接していた人気店。
2020年5月の時点ですでに右隣のBionic Brewは看板が外されていました。
いつもこんな感じで賑わっていました。
その「PEKO」は、5月17日まで最後の閉店キャンペーンを開催していました。北斎を取り入れたポスターデザイン!
・・・しかし!
PEKOは6月28日まで営業延長!
嬉しい情報です!PEKOは土壇場で営業延長のお知らせが!
6月28日まで営業継続とのこと!そして期間中はサービスセール中!行ける方は最後にぜひ!
閉店後は…
今後、別の場所で新規出店するかどうかは現時点ではまだ未定とのこと。
Bionic Brew(百优精酿) x NYPD(纽约比萨)
PEKOの右隣で2014年から営業していたのがBionic Brew。定評あるピザ屋「NYPD」(New York Pizza Delivery)と店舗をシェアしていました。
クラフトビールの種類は豊富。
ビールとピザ。ベストな組み合わせでした!
Bionic Brewは、過去にも深センのクラフトビールフェスティバルやジャズフェスティバルなどにも出張して出店していたため、各地で独特のトレードマークを見たことのある方も多かったと思います。
2019年の6月には、5周年アニバーサリーでたくさんの人が駆けつけました。
この人だかり!
今後の展開
Bionic BrewはPEKOより一足先に閉店しました。閉店時期は以前から探っていましたが、新型コロナウイルスの波が押し寄せ、感染防止のために白石洲も外部の人間の立ち入りを制限したことをきっかけに閉店を早めたのだそう。そのためPEKOのような最後のイベントもできなかったとのこと。
しかし、Bionic Brewはオンラインでもクラフトビールを販売中で、今後も深セン各地で行われるイベントにも出店計画中とのこと。実店舗もいつか再開することを心待ちにしています。
(上記公式サイトは情報が最新ではないので、以下のQRコードも参照してください)
また、NYPDは福田区の会展中心駅そばにある「中心城」モール内にある店舗の改装が最近完了したそうですが、そこで引き続き営業中。
でもBionic Brewとの組み合わせが良かったんですよね…白石洲美食城は各店舗の相乗効果があったのに…
他にも地元民に愛された店が多数
Bionic Brewの向かい側のお店は、ザリガニを取り扱っていました(私の人生初ザリガニはこの店です。。)
なんとも形容し難い絶妙な味付けが美味しいんですよね。ザリガニを取り扱っているお店は深センの各所にあるのでぜひお試しください。
現在の白石洲
現在(2020年5月18日)の白石洲美食城はほとんどの店が撤退し、以下の写真のような状態になっています。
白石洲はこれまで長い間、取り壊して再開発するという話が出ていました。その期間なんと10年!
そのため住民の中には覚悟していた人も多かったと思われますが、2019年7月以降、ついに白石洲の各テナントは家主から引越しの通知を相次いで受け取ったそうです。
対象エリアには15万人もの人が生活していると言われています。再開発エリアは(大まかに)以下の範囲。
当エリアのアパートの家賃は安く、ある居住者は月1,100元のワンルームに住んでいますが
他のエリアでは賃料はもっと高いため、できることなら引っ越したくない、と語ったとのこと。
多くの人は家賃が安いだけではなくこの愛着のある街から離れることに未練を感じています。白石洲にはたくさんの屋台や小さな店があり、「世界之窗」(Window of the world)駅からも近く、交通の便も抜群に良いところ。
なぜか街中にあるTVを見入る人たち。昭和初期のような雰囲気ですが2018年の写真です。
住宅街の中にはビリヤード場も。風情がありました。
再開発エリアには約1,600の建物が含まれており、全体計画は3つのフェーズで実施されていくのだそう。今後ますます再開発工事は加速していくでしょう。
この白石洲の面影がなくなるのは寂しいですが、時代の流れですね。再開発後の新しい街並みにも期待しながら見守りたいと思います。