深センと香港をつなぐ唯一の24時間口岸(イミグレ)として長年その役割を果たしてきた皇崗口岸のリニューアル工事が6月23日より正式に開始しました。
この皇崗口岸、24時間オープンなのは良かったのですが香港側と深セン側が非常に離れたところにあるため、わざわざバスを乗り換えていかなければなりませんでした。
しかし今回のリニューアルで深圳地下鉄/香港MTRも路線を拡張して皇崗口岸に接続されることになります。
皇崗口岸は機能的にも大きく役割が変更され、完成予定時期は2022年末。深センスピードで建設進行中です!
Source:
深圳口岸发布:皇岗口岸重建项目实现“三开”!将建成“一地两检”纯旅检口岸!
ShenzhenDaily: Work on new Huanggang Checkpoint building starts 皇岗口岸开拆,新设计图首次披露
深圳大件事:再见,皇岗口岸今日开拆!经历30余年风雨,几代深圳人的回忆即将变样……
深圳卫视深视新闻:速观察 |皇岗口岸,中国最大陆路口岸蝶变记
目次
皇崗口岸の歴史
皇崗口岸は1989年12月、福田区にある総面積約72ヘクタールの土地に建設されました。
当時は深センと香港の間で通関手続きが行われた唯一の口岸であり、2003年からは中国で初めての24時間稼働口岸となりました。
1989年12月から2019年12月までの30年間、合計3億台の車両と10億人が利用するアジア最大の口岸として活躍しました。
皇崗口岸再建スケジュール
皇崗口岸の再建プロジェクトは2019年6月に開始されました。
現口岸の解体は2020年8月末までに完了
2020年6月23日、皇崗口岸の大規模リニューアル工事が開始されました。工事は現口岸施設の解体作業から始まり、2020年8月に解体が完了しますが、工事期間中は仮設の通関施設で入境手続きが行われることになります。
新口岸は2022年完成予定
完成は2022年末を予定しています。工事内容は次項で説明しますが、その内容を見るとわずか2年で完成させるこの計画に驚かれるかもしれません。
皇崗口岸再建プロジェクト概要
皇崗口岸は深センと香港の技術革新協力ゾーン「深港科技创新合作区」の“一心両翼”と呼ばれる計画の中核にあり、重要なハブとなっています。
世界のトップデザイン企業が入札
皇崗口岸は深港科技创新合作区の空間計画に従って再建されますが、このプロジェクトには81の国内および海外のトップデザイン企業が入札に参加したそうです。
完成イメージ図は以下の通り。デザインが際立っています!
新しい皇崗口岸の敷地面積は87,500平方メートル、建築面積は40万平方メートル以上。乗客は1日につき20万人、ピーク時は30万人が通関手続きを行えるように設計されています。
地上には公園があり、屋根にも緑を配置したデザインは環境保護を表現し、建物内は口岸出入口と公共交通機関をシームレスに統合してオープンな公共スペースとなる予定。
地上4階、地下3階、高さ45m
出入口ホールと乗用車検査場は、地上4階、地下3階、高さ45mの建物内に配置されています。
各高速鉄道や深圳地下鉄20号線、そして香港MTRも乗り入れ!
今回多くの人々の期待を集めているのは以下の点。
交通計画では、深广中轴城际轨道(Shenzhen-Guangzhou Axis Intercity Rail)、穗莞深城际轨道(Guangzhou-Dongguan-Shenzhen Intercity Rail)、深圳地铁20号線、香港MTR北环线支线(Hong Kong MTR Northern Link)が接続されていきます。
今までは香港側からバスを乗り継いでやっとたどり着く皇崗口岸。まさか香港MTRが延長されるとは…これはアクセスがものすごく改善されますね。
深圳地下鉄と香港MTRはいずれも地下一階から建物に接続されます。
他の路線も次々と接続されていくため、将来的には大湾区の最重要ハブになることが期待されています。
リニューアル後は、中国本土と香港の出入境関連手続きを一つの場所で一括して行う“一地両検”(一地两检)型として機能していきます。
車両は一日につき20,000台、ピーク時は一日30,000台が通過するとのこと。
香港から深センへの入境者に対する通関手続きは3階にて行われる見込み。
深センから香港への入境者に対する通関手続きは4階にて行われます。
ブーゲンビリアをモチーフ
室内は、深圳市花とも知られる「三角梅」(ブーゲンビリア)の花びらをモチーフとしているのだそう。
この花びらの形が…
屋根のタイルのデザイン基礎となっています。
屋内は様々なハイテク機能も盛り込まれる予定。
「貨物検査」機能を終了
皇崗口岸は長いこと貨物検査港としての役割を担ってきました。
2004年にはそれぞれ1億6,900万元、9千万元、7千万元の現金を積んだ3台の紙幣輸送トラックが皇崗口岸を経由して香港に入境したという出来事があり、これにより香港での人民元建ての預金および送金ビジネスの時代が到来しました。
しかし、一つの口岸で大型コンテナトラックの貨物検査を維持するのは負担が大きかったようです。この問題を解決するために深センはほぼ10年の計画を立て、西と東に機能を振り分ける “西进西出,东进东出”戦略を実施しました。
今後、皇崗口岸での貨物検査機能は廃止され、西の貨物検査は深圳湾口岸に、東は新しい莲塘口岸に役割を振り分けていきます。これにより約50万平方メートルの土地が解放されるとのこと。
完成までは一時的な通関施設を使用
一時的な通関施設は、15のE-Channelを含む40のレーンがあり、毎日30,000人の旅行者が通過できるように設計されているとのこと。
「深センスピード」で建設
このリニューアルは、「車を運転しながらタイヤを交換する」ようなもの、といった表現がされています。
2019年6月11日に「深港科技创新合作区」リーダーシップグループの第4回会議が行われ、6月25日に建設計画が決定されました。そのわずか3日後に建設が開始されたのです。
2019年6月から2020年4月の10か月で、このプロジェクトの第一段階となる一時的な税関施設が建設されました。これは深セン口岸の歴史の中でも前例がなく「深センスピード」が港湾建設にも取り入れられたのです。
2020年の春節後、新型コロナウイルスの流行が最も緊迫していた時も流行防止の措置を行いながらプロジェクトは進められていきました。
科学研究機関や国際生物医学基地、国際量子研究センターなどが集まり最先端の産業空間を形成している福田自由貿易区。
本場の深センスピードを体感しながら経過を見守っていきましょう!