7月19日、香港行政長官の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏は、香港のコロナウイルス第3波の政府の対策についていくつかの規制強化策を発表しました。また香港から深圳に入境する人々の新たな規制も行われています。
現在は毎日どのくらいの人が香港から深センに入境しているのでしょうか?深圳湾口岸の最新データとともにお伝えします。日本人に関係する点もまとめました。
目次
香港市街における新たな感染防止策
7月19日、香港行政長官の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏は、香港のコロナウイルス第3波の政府の対策について以下の5点を発表しました。
1. 香港政府公務員は7月20日から26日まで自宅勤務とし、緊急性または必要性のない公共サービスは一時停止。
2. 公共交通機関利用時に加えて屋内公共施設においてマスク着用義務化検討。
3. 7月28日まで以下の措置を延長。
・レストラン・飲食店でのテーブル利用人数は4人まで
・午後6時から翌朝5時までは店内飲食禁止(持ち帰り可)
・ジム、カラオケなど12施設の営業停止4. ハイリスク地域(バングラデシュ、インド、インドネシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、南アフリカ)からの入境者は、検査結果が陰性であっても自宅には帰らず、決められたホテルに滞在して検疫を行うことを義務付け。
5. さらに状況が悪化した場合はロックダウンも含め更なる措置をとることを検討。
詳細は、外務省海外安全ホームページを参照してください。
PCR検査も拡充中
香港では、7月18日午後4時から深夜までのわずか8時間で108の新型コロナウイルス症例が記録されました(うち48人は経路不明)
香港政府は高齢者向けの施設やタクシー運転手に対して、また大手レストラン等各エリアでPCR検査を大幅に拡充中で、先週は1日あたり10,000回のPCR検査を実施したそうです。しかし労働力不足のため検査体制も逼迫している模様。
香港→深圳入境管理情報
日々の香港での感染者増加に反応して、香港から深センへの入境者の数も増加してきました。
※基本的に香港人は中国大陸への通行証を保持しているため、自由に大陸を往来することができます。そのため今回の入境者の増加はコロナからの感染を避けるために14日間の隔離をされてでも大陸側に行くことを希望する香港人によるものと考えられています。
香港入境事務處のデータによると、深圳湾経由で深圳に入る人々は7月14〜16日の期間中1日あたり3,000人前後でした。この数字はそれまでの平均入場者数と比べても大幅な増加であり、深圳市内の隔離施設として使用されているホテルも負荷が高くなっています。
4月から6月までの1日あたりの平均入境者数は約200〜300人でしたから、約10倍の増加です。
さらなる入境規制の強化:72時間以内のPCR陰性証明書が必須
この急激な増加に、深圳市内のすべての地区の防疫統制本部では深圳湾口岸にスタッフを増員し、目的地が深圳市外の旅行者は深圳市内での隔離ではなく東莞に移送するといった負担軽減の措置を取っていますが、7月17日より深センへの入境者は72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明書の提出を必要とする、さらなる入境規制の強化を開始しました。
深圳湾口岸に入境する旅行者に対する14日間の検疫医療観察も引き続き実施中です。
深圳湾口岸の外には一時的なテントが設置され、何百人もの旅行者が隔離施設へのバスを待つ光景がよく見られましたが、この新しい入境規制により7月17日時点の利用者数は416人と激減しました。
また、今まで特別に14日間の隔離免除をされてきた跨境トラック運転手や学生達もランダムにPCR検査を実施する模様です。
14日隔離に関する報道
地元メディア「港险E哥」によると、14日間の隔離に関して以下のような報道がなされています。
6月より14日間隔離のポリシーが変更され、「7+7」つまりホテルで7日間+自宅で7日間の隔離ができるようになったとのこと。
そして、7月13日からは(隔離施設ひっ迫のため)「2+12」つまりホテルで2日間隔離、自宅で12日間の隔離も可能になったそうです。
これはそれぞれの住居・コミュニティの要件も関係するため、全員がホテルでの隔離短縮が可能になったわけではないようです。また7月17日からの規制強化の影響で入境者が激減したためこの短縮されたポリシーはまた元に戻る可能性があります。
香港入出境に関する基本情報
現在香港への入国が禁止されている人
- 湖北省の居住者および湖北省に14日以内に滞在した香港以外の居住者
- 海外の国または地域から飛行機で香港に到着した香港以外の居住者
- 過去14日間に海外の国または地域を訪問したことのある、中国本土・マカオ・台湾から香港に入境する香港以外の居住者
- ビザの有効期限が14日未満の方
香港に入国できる人の種類(要隔離)
- 中国本土居住者および家族訪問ビザ保持者、学生、その他特別な許可がある方
日本人に関係しそうなポイント
以上が最新の報道内容をまとめたものですが、日本人に関係しそうな点をピックアップすると以下のようになります。
(香港居住の日本人):香港市街での公共エリアマスク着用、レストラン・飲食店のテーブル利用人数制限(4人まで)、午後6時から翌朝5時まで店内飲食禁止、ジム・カラオケなど12施設の営業停止(第599G章)
(香港非居住の日本人):14日隔離ポリシーの変更(「7+7」「2+12」)
日本から中国の渡航を許可された方にとっては、14日隔離ポリシーの変更は大きなポイントですね。しかし流動的なのであまり期待しない方が良いかもしれません。
今後しばらくは香港にとっての正念場が続きます。感染者数を抑えることができなければすでに広東省とマカオの間で実現されている相互入境の輪に入ることができなくなり、ひいては我々日本人が切望する香港空港から深センへの入境再開も遠のいてしまいます。
ここは行政と共になんとか抑え込めるように協力していきたいですね。
Source:
CHINA DAILY Hong Kong: Hong Kong tightens coronavirus restrictions as new cases spike
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