中国駐日本大使館は8月21日、中国渡航のためのビザ申請に関する新たなアナウンスを行いました。
2020年8月22日より、中国の有効な居留許可を取得している方は招聘状がなくてもビザ申請可能となり、対象も拡大されます。また重病の親族訪問・親族の葬式、外国人家族との同居のためのビザ申請も可能です。
いくつかのポイントをまとめ、大使館アナウンス訳文を掲載します。
(2020.08.23 追記)いくつかの点を補足しました。
参考リンク:
アナウンス要約
2020年3月下旬以降は原則外国人の中国渡航が禁止されており、特例として企業関係者の入国は優先的に認められていました。
「企業関係者」といっても大手企業の役員といった限られた方々に絞られており(直近は段階的に緩められてきたとの情報もありますが)まだまだ一般のスタートアップ企業・中小企業社員等にとってはハードルが高いままでした。
今回の大きな変更点は2つ。
●中国の有効な居留許可を取得している方は(招聘状/インビテーションレターがなくても)ビザ申請提出可能。
今までは(前述の通り)中国渡航のため招聘状/インビテーションレターがあっても大使館側でビザ申請の可否を委ねられていました。ここのハードルが非常に高かったのです。しかし今後は居留許可さえあれば招聘状/インビテーションレターがなくても申請まで進むことができます。
中国の有効な居留許可がない方でも、外国人労働許可通知や地方人民政府のインビテーションレターがある方なども申請可能です。
●重症の近親者訪問・葬式・外国人家族と同居する目的の方などもビザ申請可能。
大使館からのアナウンス
以下、アナウンスの日本語訳です。(可能な限り訳しましたが、法律用語などの部分で不正確な点があるかもしれません。正確な原文は中国驻日本大使馆サイトをご覧ください)
日中の人的交流をさらに促進するため、近日中に中国ビザ申請サービスセンター(東京、大阪、名古屋)または長崎、福岡、札幌、新潟総領事館にビザ申請書を提出することができます。
1.2020年8月22日より、中国の関連する有効な居留許可(工作类[労働類]、私人事务类[私的事務類]、团聚类[団欒類])を有する日本人で、現在の在留許可と一致して中国に渡航する者。
2.有効な居留許可を有してはいないが、目的地の地方人民政府の外事办公室(外務局)または商务厅(商務部)などのインビテーションレター(PU/TE/招待確認書)を取得しており、経済・貿易・科学技術・その他の活動に従事する申請者、および同行する配偶者および未成年の子供。
3.有効な居留許可を有してはいないが、《外国人工作许可通知》(外国人労働許可通知)および目的地の地方人民政府の外事办公室(外務局)または商务厅(商務部)などのインビテーションレター(PU/TE/招待確認書)を取得している、中国で働く申請者および配偶者および未成年の子供。
4.下記列挙の人道的事由により中国へ赴く者
①. 重症の近親者(両親、配偶者、子供、祖父母、祖父母、孫)の訪問、近親者の葬式に参加する場合は、医療機関の証明書または死亡証明書と親族の証明書(出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本、警察署関係証明書、親族関係証明書、戸籍戸本等)の写しと国内親族の招待状および招待者IDカードのコピーを提出する必要がある。
②. 中国市民(または中国永住許可証を持つ外国人)の外国人配偶者および未成年の子供が同居するために中国に行く必要がある場合は、中国市民(または中国永住許可証を持つ外国人)が発行する招待状、招待者の中国IDカードまたは中国永住許可証のコピー、親族関係証明書(出生証明書、結婚証明書、戸籍、警察署の親族証明書、親族関係証明書など)のコピーを提出する必要がある。
③. 中国国籍の親の外国人の子供、配偶者、未成年の子供の世話や扶養のために中国に行く場合は、中国市民が発行した招待状、招待者の中国IDカードのコピー、親族関係証明書(出生証明書、結婚証明書、戸籍、警察署の親族証明書、親族関係証明書など)のコピーを提出する必要がある。
5.乗務ビザ(Cビザ)を申請する者
注意事項
1.2020年9月1日より、中国ビザ申請サービスセンター(東京、大阪、名古屋)または長崎、福岡、札幌、新潟の総領事館にビザ申請書を提出する場合、すべての申請者は、事前にオンラインでフォームに記入し、オンラインで予約する必要があります。 ビザセンターおよび関連総領事館は、オンラインフォームとオンライン予約を完了したビザ申請のみを受け付け、以前のバージョンの申請フォームは受け付けません。 旅程に影響を与えないように、申請者はできるだけ早く旅行計画を立て、事前に予約することをお勧めします。
2.中国の関連する有効な居留許可(工作类[労働類]、私人事务类[私的事務類]、团聚类[団欒類])を有する日本人は、ビザ申請書、ビザ申請健康誓約書に記入する必要はありますが、招待状その他の資料は必要ありません。
上記は暫定的な措置であり、変更があった場合は最新の通知を行いますので、皆様の理解と協力に感謝します。
学生・居留許可証がない人は?
しかし、多くの場合居留許可は1年で期限が切れます。 入国制限がかけられて半年経過しているため、居留許可の有効期限が切れてしまっている方も少なくないと思われます。そのような方は地方人民政府のインビテーションレターが必要になります。
ただ、どのように地方人民政府からインビテーションレターを発行してもらうのかについての記載はないため(所属会社経由からの取得かもしれませんが)続報が待たれるところです。
一方で、居留許可なしのビジネスビザを申請しようとされている方や、学生の方についての記載は上記のアナウンスには含まれていませんでしたので、もう少し様子を見る必要がありそうです。
詳細情報は要確認
2020年8月22日現在は、中国驻日本大使馆からのソースがメインですので細かな疑問などは追って情報を確認する必要があるかと思います。近日中に日本語版も公開されるものと思われますので、最新情報にご注意ください。
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