2021年、深セン地下鉄はついに無人運転時代に突入します!
11月4日、深セン地下鉄は全自動運転試験センターの着工を開始しました。2021年開通予定の地下鉄20号線から自動運転レベルが最高の「GoAレベル4」を搭載した無人運転を実現し、鉄道輸送の効率を向上させます。
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深セン地下鉄全自動運転試験センター
11月4日、深セン地下鉄全自動運転試験センターが着工を開始しました。
当センターは2021年6月に稼働を開始する予定で、市内初の完全自動化された地下鉄を20号線から実現させるべく進んでゆきます。20号線も2021年内の開通を目指しています。
深セン地下鉄では、全自動運転技術の研究開発にかなりの投資をしています。クラウドプラットフォームに車間通信機能を搭載するという業界独自の技術を持ち、「GoAレベル4」(GoA4)という最高レベルの基準で完全な無人の自動運転を実現できるのだそう。
この全自動運転試験センターは、深セン地下鉄7号線「深云」駅近くにある「深圳地铁深云车辆段试车线」という試験線に隣接されるようで、工事面積は約4200平方メートル。センターには駅舎、プラットフォームエリア、測定・制御センター、全自動操作技術交換センター、全自動運転統合試験エリア、設備エリア、オフィスエリアや会議室などのサポート施設があります。
地下鉄20号線から自動運転を実現
報道によると、完全自動運転が実装されるのは地下鉄20号線から。その後2022年に開通する12号線にも実装予定とのこと。
この地下鉄20号線は、どこに位置するのかというと…
深圳空港の北側に位置し、「朹场北」駅から巨大な展示会場「国際中心」駅を抜けて、「会汉中心」までを結ぶトータル5駅の短い路線となります。
以前にも少しご紹介しましたが、この20号線は今後拡張されて東莞地下鉄2号線と接続することになっています(2026年開通予定)。短い路線でまずは自動運転を実現させるのは非常に良い方法ですね。
鉄道の自動運転レベル
自動車の自動運転レベルについてはよく話題になりますが、鉄道にも自動運転レベルが定義されています。
自動運転の規格は「GoA (Grades of Automation)」と呼ばれ、以下のようにカテゴリ分けされています。
「GoAレベル0」自動運転システム搭載なし
GoAレベル0は、列車に一切自動運転システムが搭載されていない状態です。
「GoAレベル1」非自動運転
発進・停止や速度変更などの操作はすべて運転士が行うものの、速度超過時の自動減速や事故発生時の自動停止といった運転サポート機能を搭載している段階。現在多くの鉄道に実装されています。
「GoAレベル2」半自動運転
GoAレベル2からは一部の運転操作が自動化され、運転士はドアの開閉と発進のみを基本的に担当。発進後の速度調整や駅での停車はシステムが担当。トラブル発生時は手動運転に切り替わり、運転士が停止操作をします。
「GoAレベル3」添乗員付き自動運転
GoAレベル3は、列車の発進や緊急時の停車もシステムが自動で実施、ドアの開閉と避難誘導のみ人間が行います。
「GoAレベル4」完全自動運転
鉄道従事者は一切乗車しない無人自動運転。
先日ご紹介した深センの自動運転バスに続いて、地下鉄も自動運転化が順調に進んでいますね。開通が楽しみです!