SDGs、再生可能エネルギーといったワードをよく耳にする昨今ですが、深センでは廃棄物をエネルギーに変える発電所「竜崗エネルギーエコパーク」が建設中です。
完成すれば1日7,000トン以上の廃棄物を焼却し電気に変えることができる円形デザインのこの発電所は、環境に対する市民への教育施設にも利用されます。2022年に稼働予定です。
目次
竜崗エネルギーエコパーク概要
深センの経済発展と人口増加に伴い、ゴミ問題は深刻です。人口約2,000万人の深センでは 1日に1万5,000トンの廃棄物が排出されており、その数は年間約7%増加しています。これに対抗するため最先端技術のプロセスを利用した廃棄物焼却発電所が現在竜崗区に建設中。それが竜崗エネルギーエコパーク。
深セン最大の廃棄物焼却発電所
「竜崗エネルギーエコパーク」(中国語名:龙岗能源生态园、英語名:Shenzhen East Waste-to-Energy Plant)は竜崗区坪地街道四方埔に位置し、総投資額は43.9億元。
面積は54.3万平方メートルで、深セン最大の廃棄物焼却発電所。運営会社は深センの国有企業「深圳能源集团」傘下の深圳市能源环保有限公司(Shenzhen Energy Environmental Engineering Ltd.)
完成すれば当発電所は1日7,000トン以上の廃棄物を焼却し、毎年5億5,000万kWhを発電します。
デンマークの建築設計事務所がデザイン
設計を手がけるのはデンマークの建築設計事務所 Gottlieb Paludan ArchitectsとSchmidt Hammer Lassen Architects。発電所というと大抵は長方形ですが、円形にしてビジターセンターと一体化させ、市民の教育の場としても機能することになるのだそう。
担当する設計事務所「Schmidt Hammer Lassen Architects」のYouTube公式チャンネルではプロモーション動画が公開されています。
屋根には最大44,000m²の太陽光パネル
66,000m²の面積を持つ屋根は、最大44,000m²の太陽光発電パネルで覆われるように設計されています。都市の廃棄物をクリーンに処理するだけでなく、都市の再生可能エネルギー供給にも貢献することになります。
プロジェクトは試運転段階へ
2020年には168時間の試運転を成功させ、プロジェクトは正式に試運転段階に入りました。
EU基準を上回る環境保護指標
発電所内には6つの廃棄物焼却処理ラインが建設されており、それぞれに排ガス浄化システムが装備されています。試運転での環境保護指標は現在の国家基準とEU基準よりも優れた数値を出しており、環境アセスメント承認の要件を満たしています。流石ですね。
「生産+オフィス+生活+教育+観光」の5つの機能を持ち、最もファッショナブルな発電所となる竜崗エネルギーエコパーク。
深セン市の廃棄物全体の約3分の1を処理
現在、深セン市内のごみ焼却場は5箇所、建設中のものは3箇所ありますが、当エコパークの建設が完了すれば深セン市の廃棄物全体の約3分の1を処理することができ、埋め立てによる環境汚染を大幅に減らすことができるようになります。2022年の完成が待ち遠しいですね。
Source:
深圳龙华融媒发布:深圳最具时尚科技范的能源生态园是这样的……
Schmidt Hammer Lassen Architects : Shenzhen East Waste-to-Energy Plant