4月5日の時点で、中国全土では合計1億4280万2千人分の新型コロナウイルスワクチン接種が報告されていますが、摂取率は4%前後にとどまっています。
「現在のペースだと集団免疫を獲得するのは来年の春」
復旦大学附属華山病院の张文宏氏によるこの発言が話題を集めています。
「来年の春に集団免疫獲得」だが…
"検疫やPCR検査の陰性証明書を必要としない、国境を越えた自由な旅行が可能になるのはいつになるのか"、という点について、復旦大学附属華山病院の感染科主任である张文宏(Zhang Wenhong)氏はこのように語りました。
現在の中国のワクチン接種率では、集団免疫(疫苗屏障)の獲得は来春に完成すると考えている。 来年の春に向けて、みんなで期待を膨らませていきたい。
復旦大学附属華山病院 感染科主任 张文宏氏
"ワクチン接種をためらう気持ちが広まっている"
一方で、张氏はワクチン接種のためらいが広まっているとも語っています。その主な理由は、今の中国には固有の症例がなく、人々は(新型コロナウイルスの)リスクが身の回りにないと感じているからとのこと。
新型コロナウイルスワクチンの数量や接種のしやすさは向上しているものの、人口の多い中国において現在(2021年4月)の接種率は約4%にとどまっており、集団免疫を獲得するために必要な70-80%のラインにはまだ及ばず、一部の先進国との比較でも差があります。
他国の状況は
世界の経済大国を見ると、非常に速いペースでワクチンを接種しているイスラエルでは集団免疫を達成しようとしており、英国では40歳以上の人へのワクチン接種がほぼ完了。 アメリカも総人口3億人強で、毎日400万回のワクチン接種をすることで、実際に集団免疫に到達するのはすぐそこまで来ています。
他の国々が次々と集団免疫を築いていけば、世界的な流行はかなり抑えられ、世界は再び開かれていくだろう。 しかしその頃、中国がまだ集団免疫を獲得していなければ、より大きな脅威に直面し、完全に開放することはできなくなる。
復旦大学附属華山病院 感染科主任 张文宏氏
北京大興区のワクチン接種率は80%
現在中国で一番最初に集団免疫を獲得したのは北京の大興区。国内で初めてワクチン接種率80%を達成しました。河北省の石家荘市も2021年6月末までにワクチン接種率50%を達成するとのことですが、他の都市ではまだそこまでの接種率にはなっていない模様です。
人口14億人の大国が70-80%のワクチン接種率に到達するには膨大な作業を要します。来年の春を早いと見るか遅いと見るかは人それぞれですが、一つの目安として覚えておいた方が良さそうです。
そうなると、2022年の北京オリンピックはどうなるのでしょうね…
Source:
ShekouDaily: Open Borders for Traveling May Come Next Spring, Expert Says