先日、居住人口が1,756万人を突破した深セン市では「戸籍移動に関する規定」を公開しました。
これは簡単に言うと、深センの戸籍取得が難しくなるということです。
今後も人々が深センに移住することは可能ですが、物件購入といった優遇措置を得られる深センの戸籍を取得するのに必要とされる基準が引き上げられます。
目次
深セン市は一年で412万人の増加
先日公開された通り、2020年の最新統計によると深セン市の居住人口は1,756万61人となり、わずか一年で412万1,300人が増加したことになります。
1日1万人を上回るペースで人口が増加した深セン市ですが、住宅や学校、病院などが不足するといった点が指摘されていました。
深セン市入戸政策改正草案
深セン市は5月25日に「入戸政策」の見直しを始め、草案を一般公開しました。
今回、深圳市発展改革委員会が修正・起草したのは《深圳市户籍迁入若干规定(征求意见稿)》(戸籍移動に関する規定)と、《深圳市居住社保积分入户办法(征求意见稿)》(社会保障に関する規定)の2つです。
当草案は、一般からの意見も募集されています。以下抜粋してご紹介します。
深センの戸籍取得に必要な学歴の基準引き上げ
深センの戸籍取得に必要とされる学歴の基準は引き上げる方向で提案されています。
教育人材の最低要件は「全日制本科」に。技術人材の最低要件は「中级职称+全日制大专(3年制専門学校)」に。技能人材の最低要件は「技师」に調整されます。
上記の承認された条件を満たしていないその他の人材については、市の人的資源保護部門が一律に承認し、特別指数計画の中で実力に基づいて導入することになります。
結婚による戸籍取得条件の引き上げ
結婚による戸籍取得に関しては、夫婦が世帯に入るための基本的な条件を結婚後2年から5年に調整。
(ハイレベル人材・上級肩書き・上級技術者・修士号以上に関しては優遇措置が取られる模様)
高齢者の転入に関する要件
高齢者は子供と一緒に深センの世帯に移転する期間を8年から15年に変更。子供が深センの家庭に入るための条件も8年から15年に調整され、15年連続で深センで社会保険を支払っていることが条件として追加されました。
また、今回の案では、世帯申請者の避妊状況の監査を取りやめ、世帯申請者が犯罪歴を持たないことを条件としています。「虚偽の申請をした人は2年間は再申請できない」という要件は5年に引き上げられました。
社会保障に関する要件
社会保障点数の登録に関しては、深センでの合法的で安定した居住と就業の基本年数を5年から10年に調整し、犯罪歴がないことを条件に追加しました。
「量から質へ」
長年にわたって、深センの戸籍を取得するのは難しいことではなかったようで、大抵の場合は子供を学校に通わせたり、家を買ったりするために深センの戸籍を取得しますが、最近は投機目的で不動産を購入する人が多く問題視されていました。(先日交代した深セン市市長や幹部の辞任理由もこの政策方針が関係していたようです)
深センの入戸政策は他の一級都市と比べてまだまだ緩いようですが、今回の政策変更により今までは「来了就是深圳人」(来たら誰でも深セン人)と言われてきたのが、「来た後は必ずしも深セン人ではない」と指摘する声もありました。
上記で紹介した政策変更はまだ草案のため決定ではありませんが、戸籍取得の基準を上げることで「量から質へ」の転換を図り、不動産価格の安定を図ろうとしているのは確実なようです。
Source:
深圳司法:深圳拟修订入户政策:涉及学历、夫妻投靠、职称等要求