香港の渡航に関する最新情報です。
中国本土住民が香港入境時に検疫措置の免除として検討されていた取り決め「来港易」「回港易」ですが、広東省の新型コロナウイルス感染リスクが上がったことから「来港易」は一旦保留、「回港易」はエリアごとに調整が図られることになりました。
また、シンガポールとのトラベルバブルは7月初旬に再検討される見込みです。
「来港易」は保留
香港行政長官、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏は先日の立法会にて、5月中旬に本土の住民が検疫なしで香港に入国できるようにする予定だった「来港易」を保留すると述べました。
原因は広東省での感染。38の地域が封鎖(ロックダウン)され、広州市の一部の地域がハイリスクゾーンに格上げされたことが要因です。
「来港易」は、非香港居民の中国本土居民が入境する際の検疫を免除するスキームで、5月より実施される予定でした。これには外国人も対象となり、いよいよ深センと香港の自由な往来再開か?と思われていましたが、実現はもう少し先になりそうです。
「回港易」はリスクエリアごとに対象者を調整
一方、香港居民が中国から香港に戻る際に14日間の検疫を免除する取り決めである「回港易(Return2hk)」は、中国国家衛生委員会が流行状況に応じてリストアップした中国本土の中リスクエリアおよび高リスクエリアを参考にし、香港到着の14日前までに危険地域リストに掲載されている地域に滞在したことのある香港人は、強制検疫が免除されず、14日間の自宅検疫を受けることになります。
そのため、旅行者は香港に戻る前に中国本土周辺の中リスクまたは高リスクエリアに分類された地域への訪問を避けながら来る必要があります。
「ワクチン接種は自由な渡航の必要条件に」
キャリー・ラム氏は、ワクチンを接種した人に特別な待遇をするかどうかについては、まだ中央政府から通知や発表はないものの、「将来、そのような制度や計画が開始される場合には、ワクチン接種が必要条件となることは間違いないと、私が率先して言える」と強調しました。
本土や海外との自由な行き来を再開するにあたってワクチン接種が必須条件であるとして、香港人への早期のワクチン接種を改めて呼びかけています。
シンガポールと香港の「トラベルバブル」は7月初旬に再検討
シンガポールと香港は当初、5月26日に各種検疫措置免除となる「エア・トラベルバブル」を開始する予定でしたが、先にシンガポールで新型コロナウイルス感染が広がっていたため、計画は再び延期されました。
政府は本日(6月10日)、シンガポールでの新型コロナ発生状況が6月初旬以降安定していることを発表し、7月初旬を二国間トラベルバブルの開始目標時期として見直しています。
報道官は、香港とシンガポールは共に地域の航空ハブであり、国際都市であることを強調し、トラベルバブルを通じた旅行を段階的に再開することに引き続き意欲的であると述べています。続報はまた発表される予定です。
後退しているようにも見える今回の措置ですが、今回はいずれも香港側の問題ではなく、この保留となっている間にできるだけワクチン接種を普及させて万全の状態にすることができれば、今度こそ本土との自由な往来が実現する…かもしれません。
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