深セン市は現在、人工ビーチの建設を計画中。
場所はなんと、蛇口の深セン湾公園!香港と深センをつなぐ「深圳湾公路大橋」に隣接するエリアです。
現在は当計画に関して一般の意見が募集されていますが、生態系を破壊するといった反対意見も見られます。
深圳湾海岸生態回復プロジェクト
この人口ビーチ計画は「深圳湾滨海休闲带沙滩生态修复项目」(深圳湾沿岸遊覧区海岸生態回復プロジェクト)の一環で、深圳湾公园C区の一帯に3万9,050立方メートルの砂を敷き詰めることによって実現されます。
深圳湾公园C区は香港と深センをつなぐ「深圳湾公路大橋」に隣接しており、日本人含む外国人が多く住むマンション「peninsula / ペニンシュラ」やサービスアパートメント「savills / サビルス」も近く、近隣住民が散歩やジョギングなどに利用するエリア。
周辺は近年整備の速度が著しく、2020年には海岸線に沿った「深圳湾防波堤公園」のオープンが話題になりました。他にも中央を流れる河川景観改善プロジェクトが現在進行中。
263メートルの人工的な海岸線を作成
当プロジェクトでは深圳湾公园C区周辺に263メートルの人工的な海岸線を建設予定。総海域面積は2.48ヘクタール。そのうち約1.37ヘクタールが透水性構造物に、約1.12ヘクタールがその他の開放的な用途に使用されるのだそう。
具体的には、西側に151メートル、南側に181メートルの潜堤(浅瀬)、45メートルの平台、22メートルの桟橋、約39,050立方メートルの人口砂によるビーチ埋め立てなどの工事を行います。
浅瀬建設により波や潮の影響を弱め、砂浜消失による泥化や沈下を軽減させると同時に(人口砂投入によって)砂浜の面積を拡大し、地域の生態機能や防災・減災能力を向上させること、そして市民が海に親しめるスペースを増やすことを目的としているのだそう。
計画は賛否両論
当プロジェクト公表後、深圳湾に人工ビーチを建設すべきかどうかについて、市民の中では賛否両論の声が上がっているようです。
賛成している人たちの意見では、深センは沿岸部の都市であるものの、ビーチは主に東側の海域に集中しており市の中心部からは離れているので、今回の人工ビーチ建設によって新たな観光スポットが誕生することのメリットを指摘しています。
一方で、反対する人たち、特に一部の環境保護団体は、人工ビーチの建設を延期すべきだと提案しています。彼らによると人工ビーチは、深圳湾に元々あった干潟の底生生物の生態系構造を破壊するだけでなく、土砂の堆積を促進。また世界的な砂不足の危機の中で、砂が採掘される生態環境もダメージを受けることになると主張しています。
深圳湾は水深1~2メートルの浅瀬の湾がゆっくりと沈降しており、海の牡蠣の養殖や生活排水による土砂汚染、香港の島々による海の潮汐力の遮断、そして埋め立てや(海を渡る)橋の建設などの影響で、満潮時でも外側の水域との力の交流が不足しているのだそう。確かに水が滞留しているイメージはありますね。
20世紀末以降、深圳湾岸では相次いで埋め立てが行われてきました。 埋め立てによって損なわれた生態環境を修復するために、市では湿地の修復、護岸などの技術的手段を用いて深圳湾の沿岸レクリエーションゾーンの建設を実施しています。
2017年10月、深圳南山区都市管理局は深圳湾运动公园沿岸部の海岸修復プロジェクトを実施。修復された海岸線の長さは約100メートルで、これは現在、深圳の西海岸で唯一の人工ビーチとなりますが、現在この場所では波や潮の作用などにより一定の砂が失われており、泥の付着や浜辺の沈下が生じていました。深圳湾の水域は処理後に改善されましたが、人間の接触には適さない質の水域であることに変わりはありません。
深セン市民は7月7日までの期間中、電子メール(nsgljlyk@pnr.sz.gov.cn)または電話(0755-26581891)で当計画に関する意見を提出することができるのだそう。
あの周辺の水はお世辞にも綺麗とは言えないので、技術力を結集して水質の改善をまず先に行なった方が良い気がしますけどね。皆さんはどう思いますか?
Source:
EyeShenzhen:Public opinions solicited for man-made beach at SZ Bay 深圳湾将建人工沙滩