
深センの街中で必ず見かけるBYDのEV(電気自動車)タクシー。水色が特徴の「e6」と呼ばれるこの車体は最近アップグレードされ、現在は200台以上の新型モデルが市内に配備されています。
車内も広くなり、様々な機能が搭載された新型車両。旧型と比較した違いをご紹介します。
目次
新旧「e6」モデル比較
新型車のどこが「新しい」のでしょうか?確かに新旧モデルの外観は変わりましたね。
新旧2台のサイズ、乗車体験、車両構成、航続距離・バッテリー充電、問題点の改善という5つの観点を比較します。
サイズ
新旧の筐体サイズを比較してみましょう。全長、全高は若干ですが大きくなっています。

新型e6では、サイズを大幅に縮小したBYDの最新型ブレードバッテリーを採用したことで、地上高が旧型e6の130mmから150mmにアップしています。これにより車体を地面にこすってしまう心配が減ります。

乗車体験
身長175cm、体重75kgの人が旧型車両の後部座席に座ると、膝の前は握りこぶし一個分のスペースしかありません。一方で、新型車両の後部座席では握りこぶし2個分のスペースが空いているのが分かります。
新型(e6)車両 旧型(e6)車両
新型は空間に余裕があり、シートも柔らくて快適なのだそう。
車両構成
後部座席
旧型の後部座席中央の足元には、最大120mmの突起がありました。

これは動力を伝えるプロペラシャフトと呼ばれるパイプ状のものが下を通っているためですが、新型車両はこの部分がフラットになっているため、後部座席に3人が乗っても苦痛ではありません。

トランク
新型タクシーのトランクは長さ、幅、高さがそれぞれ980×810×770mm、最大容積が580Lとなりました。

旧型と比較して130L大きくなり、家族や多人数での旅行のニーズにも十分対応できます。
前部座席
全部座席には9.7インチのタッチスクリーンを搭載した新しい車載端末を採用しています。

多種多様な安全機能
車両制御システムやリバーシングカメラ、360パノラマビュー、前後レーダー、電子パーキングブレーキ、LEDロービームなどの実用的な機能が追加されています。

加えて、シートベルトを着用していない同乗者への音声リマインダー機能や、ワンタッチアラームボタンなど、ドライバーと同乗者の安全性を高める機能も搭載。
USB充電ポートも
車内にはエアコンの吹き出し口と2つのUSB充電ポートが装備されているので、スマホ充電も万全(要ケーブル)。また暑い広東省ではエアコンの効きが強い車両もありますが、風の調節も可能に。

航続距離・バッテリー充電
新型車両には、最新のBYDブレードバッテリーが搭載されており、旧型のリン酸鉄リチウムバッテリーに比べて、バッテリーサイズ、航続距離、安全性、安定性などの面で大幅に改善されているのだそう。

その結果、車両全体で20%の軽量化を達成し、100kmあたりの電力消費量を6kW-h削減、30%の効率化を実現し、航続距離は500km。DC充電の出力が40kWから60kWにアップし、30%〜80%の充電時間が40分に短縮されました。充電時間が短くなることでタクシーの運用効率も向上しますね。
問題点の改善
新型車両では、旧型車両で存在していたいくつかの問題点を解決しています。
例えば、旧型では「Aピラー」と呼ばれる、運転席、助手席の付近にあるフレームが大きかったためどうしても死角ができてしまいましたが、新型にはミラーを設置し、車載端末に360°パノラマ映像を統合することで死角部分の改善が行われました。

他にも、10以上の機能を統合したインテリジェント電子制御ブレーキシステム(IPB)を採用し、ブレーキ応答時間と制動距離の短縮、制動効果の大幅な向上を実現。
最も直感的な現れは、新型車両の加速が旧型車両のように急激なものではなくなったことなのだそう。 EV車は急激なブレーキを感じることが多々あり、その面ではあまり乗り心地が良いとは言えませんでしたが、新型車両は従来の燃料車に乗っているのと同じような感覚になり、乗り物酔いもしにくくなったとのこと。
他にも、疲労警告機能、ビルトインナビゲーション、ビルトインドライブレコーダーなど、タクシーに特化した多くのセーフティデバイスや機能が追加されています。
たくさんのアップデートが施されたBYDの新型「e6」タクシー。街中で見かけたらぜひ捕まえて乗車してみてください。
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