深セン市では2022年に入って17の新型コロナ市中感染症例が報告されていますが、1月16日に確定診断された中にオミクロン株が含まれていました。これが初のオミクロン株市中感染症例となります。
深セン市では当事例の詳細情報を公開。このような情報を見ると、現在中国ではどのようなトレースが行われているかの参考になります。
目次
オミクロン株症例者情報
深セン市では1月16日に「症例16」「症例17」の2件を発表。今回のオミクロン株は「症例17」となります。対象者の情報は以下の通り。
21歳女性。竜崗区の主に海外からの冷凍化学試薬の集配などに従事する企業の従業員。龙岗区宝龙街道龙新社区兰一村に居住。1月8、10、12日のPCR検査では陰性、1月15日に坪山区で行われたPCR検査で陽性となり、軽度の新型コロナと確定診断されました。(16日未明に深圳市疾控中心(CDC)で再診断)。現在は第三人民医院にて治療中。
症例17は独立した発生源に
深圳市疾控中心(CDC)では全ゲノム解読を完了。その結果、症例16は過去の症例1〜8/11〜15とゲノム配列が一致しており、1月7日に検出されたことから"0107"と呼ばれる一連のデルタ株「AY.103」と感染経路がリンクしていることが明らかになっていますが、この症例17に関しては一致せず、独立した発生源となっていることから新たな閉鎖区域を設置。現在もトレースを続けています。
今回の症例17(と、今後検出される可能性のある症例17とリンクされるオミクロン株)は、最初の検出日が1月15日のため"0115"と呼ばれ始めています。
また、1月17日に追加発表された内容によると、この"0115"は、天津、上海、珠海、北京で報告されたオミクロン発生例と同じ感染経路ではなく、グローバルデータベースで北米から多く検出されている配列のゲノムと100%同じであることが確認されました。
症例17は、1月12日に北米からの宅配便に接触し、1月14日に咽頭痛の症状を呈した後、1月15日に初期PCR検査で陽性となった模様。疫学調査は引き続き行われていますが、今回のオミクロン株による感染は"0107"のデルタ株と同様に海外からの輸入物による可能性が考えられています。
これまでになく早かったデルタ株のゲノム解析
デルタ株である"0107"のゲノム解析ですが、1月7日夜にCDCはわずか16時間で全ゲノム解読を完了しました。これまでの解析スピードは27〜24時間でしたが、今回のデルタ株は16時間とこれまでになく早い解析で、発生源もすぐに特定されました。
今回のオミクロン株も解析時間は公表されていないものの、非常に早いスピードでオミクロン株であることを特定したそうです。
竜崗区と坪山区で行動軌跡
この症例17、ここ数日は竜崗区と坪山区に行動軌跡があり、以下のポイントが公表されています。
竜崗区
佳业广场12层
澳门麦记大包(鹏达路店)
鹏达路石磨早餐
五华肉丸汤粉店(鹏达路店)
鹏达路早餐快餐粥粉面
鹏达路道江牛肉店
坪山区
红岭小区一巷
坪山区妇幼保健院发热门诊
林家烫捞麻辣烫(坑梓店)
中兴路闻天下现切新鲜猪杂粥
大まかなポイントは以下の地図付近になります。
坪山区のクリニックでは緊急外来を中止
症例17の行動軌跡の中には、医療機関である坪山区妇幼保健院も含まれており、当クリニックではスクリーニング管理・環境サンプル採取等の措置を実行。現在当クリニックの緊急外来医療サービスも停止中です。
症例17の接触者を追跡中
現時点で、症例17の284人の密接接触者と278人の「準」密接接触者を追跡し、加えて坪山区在住の関係者を防疫規定に基づいて集中隔離しているとのこと。また、症例17の居住地である宝龙街道などを新たに指定封鎖地域に追加し、勤務地である龙岗街道南联社区碧新路2055号佳业大厦や坪山区将坑梓街道红岭小区も閉鎖管理を行い、必要に応じてPCR検査を実施しています。当エリアでは集会活動や体育館、KTVなどすべてのオペレーションを停止。厳しい制御内に置いています。
これから春節が始まることで人の流れや集まりが大幅に増えるため、疫病の予防と対策の状況はさらに厳しく複雑になると予想されます。移動される時はリアルタイムで公開されている中国国内の中・高リスク地域の情報なども参考になさってください。
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