2022年中国対外貿易額発表、深センの輸出入額は3兆6,700億元で過去最高規模に

2023-01-30 2023-01-30 5分29秒

深セン税関の統計によると、2022年の深センの対外貿易の輸出入額は3兆6,700億元となり、前年比3.7％増。過去最高の規模です。

そのうち、輸出は2兆1,900億元で前年比13.9％増。なんと30年連続1位です。輸入は1兆4,800億元で第3位となりました。

1 深圳市は大湾区9都市の輸出を牽引
2 深圳港のコンテナ処理能力は初の3000TEU超え
3 香港が引き続き深圳の最大の貿易相手に、RCEPや一帯一路沿線国も増加
4 電気機械製品の総輸出額は全体の4分の3を超える
5 農産物の輸入は増加
6 深圳市商務局は対外貿易促進の支援政策を実施
7 2023年は逆風も

深圳市は大湾区9都市の輸出を牽引

2022年、深センは広東省の輸出入総額の44.2％を占め、2021年より1.3ポイント増加しました。中でも大湾区内9都市の輸出入総額の46.3%を占めています。輸出は特に顕著で、深センの輸出は大湾区9都市の輸出総額の43.1%を占めるほどになりました。

内訳を見ると、一般貿易と保税物流がともに全体を上回る成長を見せています。2022年の深センにおける一般貿易の輸出入額は1兆8,200億元となり、4％の増加。輸出入総額の49.6％を占めています。また、保税物流は8,813億元を輸出入し、7.7％の増加となりました。

また、深圳の民間企業の輸出入額は2兆2,800億元で5.9％増、全体の62.1％を占め、2021年より1.3ポイント増です。国有企業の輸出入額は2,450億1,000万元で、17.3％の大幅増です。

深圳港のコンテナ処理能力は初の3000TEU超え

少し前に、世界最大のコンテナ船エバーグリーン「长崇」号が塩田港に停泊し、約5,000TEUを塩田港で積み込み、積み下ろしを終えた後、ヨーロッパに向けて出航したと報道されました。2022年は深圳港のコンテナ処理能力は初めて3000万TEUを超え、過去最高を記録しました。

香港が引き続き深圳の最大の貿易相手に、RCEPや一帯一路沿線国も増加

2022年は香港が引き続き深圳の最大の貿易相手となり、深センの対香港輸出入額は6,509億2,000万元で、17.7％を占めました。米国、EU、インド、英国への輸出入はそれぞれ18.8%、18.5%、55%、26.5%と高い成長率を示しており、RCEPの貿易相手国および「一帯一路」沿線国への輸出入はそれぞれ1兆100億元（7.8%増）、8,930億元（15.1%増）、深圳の輸出入全体を3.9%ポイント押し上げました。

電気機械製品の総輸出額は全体の4分の3を超える

2022年、深圳の電気機械製品の輸出は1兆6,800億元（8.7％増）となり、総輸出額の76.5％を占めました。うち電気設備は32.6％、携帯電話は28.6％、自動データ処理設備は24.3％の伸びを示しています。また、リチウムイオン電池は566億1,000万元、前年比68.7％増です。「劳密产品」（労働集約型製品：衣類・革製品・家具・おもちゃなど）の輸出は2,350億2,000万元で、31.8％の増加。中でも、玩具とバッグの輸出は50％以上の伸びを示しました。

農産物の輸入は増加

一方、2022年の深圳における電気機械製品の輸入は1兆1,800億元となり、輸入総額の79.8％を占めました。このうち、電子部品は3.3％、自動データ処理装置およびその部品は6％、電気機器は19％の減少です。農産物の輸入は967.8億元（5.7％増）。このうち、乾燥した果物やナッツ類は277億6,000万元（16.5％増）、食用水産物は92億5,000万元（42.6％増）でした。

深圳市商務局は対外貿易促進の支援政策を実施

2022年、市商務局は対外貿易を促進し、安定した成長と発展を実現させるべく一連の支援政策を導入しました。

中国（深圳）国際貿易単一窓口は34の業務領域、155の業務モジュールでオンライン化され、1500以上の項目に対してサービスを提供。プラットフォームには13万以上の企業が登録したのだそう。全国初の「出口退税备案单证电子化系统」（輸出税還付申告書類電子化システム）は、輸出企業が輸出税還付に必要な各種申告書類や通関物流情報をワンクリックでアップロードできるよう支援し、申告書類の入手難度を軽減するとともに、紙ベースの情報を保管するためのコストを削減したとのこと。