2022年深セン市の地域総生産(GDP)は3兆2,387億6,800億元で、前年比3.3%増となりました。
昨年の中国は国内各地でのロックダウンなど様々な要因により、特に上海は前年比マイナス成長となってしまいましたが、深センは比較的安定した成長を続けています。
目次
2022 中国GDPランキング:深圳は3位
深圳市統計局は1月28日、2022年の市の経済運営を発表しました。
2022年の深圳市GDPは 3兆2,387億6,800億元(前年比3.3%増)で、中国主要都市ランキングでは上海、北京に次いで第3位です。
3.3%という増加率は主要都市上位の中でも深センがトップ。2022年は各都市のロックダウンにより国内経済は大ダメージを受けてしまい、特に上海は0.2%減でしたが、深圳に限っては持ち直した模様です。
工業生産総額は4年連続全国一位
各産業の年間付加価値額は以下の通りです。
- 第一次産業(農業,林業,水産業,牧畜など):25億6,400万元(前年比0.8%増)
- 第二次産業(工業など):1兆2,405億8,800万元(前年比4.8%増)
- 第三次産業(運輸、商業など):1兆9,956億1,600万元(前年比2.4%増)
前年比4.8%増となった工業を業種別に見ると以下の通り。
- 鉱業:14.7%増
- 製造業:4.1%増
- 電気・ガス・水道業:9.5%増
- 自動車製造業:104.5%増
- 石油・ガス採掘業:13.6%増
- 特殊機器製造業:4.8%増
- コンピューター・通信・その他の電子機器製造業:1.8%増
深圳市の工業生産総額は4兆5,500億2,700万元で4年連続全国一位、工業付加価値額は1兆1,357億9,000万元で、初めて全国の都市で一位を獲得しました。工業付加価値額が1兆元の大台を超えたのは今回が初となり、年間成長率も国や省平均を上回りました。
新エネルギー自動車は183%の大幅増
深圳の主要なハイテク製品の生産高は2022年も急成長を続け、中でも新エネルギー自動車は183.4%増、充電パイル(ステーション)は113.8%増、民間ドローンは34.7%増、5Gスマートフォンは22.3%増でした。
2022年、市の7つの戦略的新興産業(20の産業クラスター)の付加価値額は1兆3,324億200万元に達し、GDPに占める割合は41.1%。前年比6.9%増です。
特に一部の新産業クラスターの成長率が高く、インテリジェントネットワーク車(45.6%)、新材料(21.4%)、新エネルギー(15.9%)、ソフトウェアと情報サービス(14.6%)、ハイエンド医療機器(12.4%)、海洋経済(11.4%)の6クラスターが引き続き2桁の付加価値成長を維持しています。
BYDも多大な貢献
これには世界最大の新エネルギー車メーカーに躍進したBYDが多大な貢献をしています。
BYDの新エネルギー車の年間販売台数は世界第1位、2022年には23万8,700台の新エネルギー車を市内で普及させました。また、他会社と数百億元にも上るプロジェクトをスタートさせ、超高精細新ディスプレイ部品生産ラインなどを稼働。投資額も過去最高を記録しました。BYDの貢献は深圳市のみならず、西安、合肥、常州、長沙の成長にも大きく寄与しているのだそう。
固定投資成長率も一級都市で一位に
2022年、市の固定資産投資は前年比8.4%の伸びを記録しました。この点では全国や省を大きく上回り、一級都市で一位に躍り出ました。
工業投資は引き続き良好な成長を維持し、19.2%増に。そのうち製造業投資は15.4%増となりました。産業別では、第2次産業への投資が19.3%増、第3次産業への投資が6.2%増。ハイテク産業への投資は活発で17.0%の増加。そのうち電子・通信機器製造業が21.0%増、情報通信・ソフトウェア・情報技術サービス業が43.8%増です。
医療・福祉への投資は64.1%増、文化・スポーツ・娯楽への投資は22.9%増となりました。また、不動産開発投資は13.3%の伸びを記録しています。
市場の消費も順調
市の消費財小売総額は9,708億2,800万元で、前年同期比2.2%増となりました。
2022年、深センの総社会消費成長率は国や省を上回り、一級都市では一位です。消費の種類別では、商品小売売上高は4.2%増、外食売上高は12.9%減。生活必需品の売上は好調で、穀物、油、食料品は18.1%増、飲料は25.4%増。消費財の小売売上は急成長を維持し、このうち通信機器は40.3%増、自動車は13.5%増。
ネット通販は引き続き急成長しており、指定規模以上のインターネット商品小売販売額は20.9%増でした。2022年の市内消費者物価は前年比2.3%上昇です。
輸出は前年比13.9%の増加
2022年の同市の輸出入総額は3兆6,737億5,200万元で前年比3.7%増。そのうち輸出は2兆1,944億8,000万元で13.9%増、輸入は1兆4,792億7,200万元で8.5%減です。中でも一般貿易の輸出入は4.0%増で全体の49.6%を占めました。
深圳市の2022年における対外貿易額は以下の記事も参照なさってください。
2022年12月末時点で、市内の金融機関の国内外通貨建て預金残高(外資を含む)は12兆3,400億5,200万元で、前年比9.7%増。外貨建て貸付残高は8兆3,422億9,900万元で前年比8.0%増。
「製造業が主役」の深圳、広州市との差は広がる
2022年に「製造業が主役」の都市となり、「中国第一の工業都市」の座を確保した深圳市。今までは広州市と比較されがちでしたが、2017年に深圳市のGDPが広州市を追い抜いて以来、差は広がるばかりです。
深圳市の人口増加もGDPと関係しています。2010年から2020年までの10年間の深圳市の年平均人口増加率は5.35%であるのに対し、広州では3.93%。研究開発費などの投資額も深圳市の方がはるかに高く、この差は今後も開くと思われますが、広州は広東省の省都として外交上の地位において優位性を持ち、深圳市とは相乗効果でお互いに発展していくことを目指しています。
Source:
深圳新闻网:稳字当头 稳中求进!2022年深圳GDP32387.68亿元,同比增长3.3%
GDP国内生产总值:2022年GDP百强城市:武汉、合肥、宜昌、南宁公布,十五强尘埃落定