2023年2月28日、AIツール「ChatExcel」第1弾ベータ版が「知乎」に登場しました。北京大学深圳研究生院の研究グループが開発したこのAI製品は、"Excel版ChatGPT"とも呼ばれ、半月で累計200万人以上のユーザーを獲得し、中国のテック系界隈で話題となりました。
北京大学深圳研究生院の4人のチームで開発
開発したのは北京大学深圳研究生院の"Kid"と、そのルームメイトの"CY"。そして北京大学信息工程学院の博士号指導教官である袁粒老师とコンピュータ応用技術専攻の修士課程学生である刘臻辉の4人でチームを作りました。袁氏の指導のもと、3人は理論的な研究開発から市場への応用へ、昼間は論文を書き、夜中はChatExcelを磨き続けました。
4人の創業者たちは、いずれも機械学習のプロフェッショナル。
彼らは、AIを活用した研究開発力を強みとして市場にある資源や力をできるだけ早く統合し、技術的障壁をさらに高めることを目標としています。
複雑なExcel操作のニーズをAIで解決
Excelの組み込み関数の習得には時間も手間もかかります。彼らはこのような職場の複雑なExcel操作のニーズを解決するべくExcel版のAIを作ることにしました。
VLOOKUPやIF関数などを覚えたり、数式を手動で設定する必要がなく、例えば『各生徒の科目ごとの期末試験結果の合計を計算し、最高から最低までの順位をつけてください……』といった感じで、表の下にあるダイアログボックスに必要事項をテキストで入力するだけで、Excelが勝手に実行されるというもの。
テーブルをまたいだ共同処理も可能なので、複雑で面倒な作業から解放され、ユーザーの作業効率とデータ分析能力を向上させます。製品は完全なオープン型で、ユーザー情報の登録は不要。ウェブサイトを開いて何度でも利用できるのだそう。
公式URL
ChatExcelは、以下のURLにて公開されています。
操作ガイド:https://www.zhihu.com/zvideo/1613698109141352448
「国産AI」としての期待
ChatExcelのベータ版がリリースされると、すぐに中国国内で話題となりましたが、もちろん彼らはChatGPTを意識しています。
「OpenAIやBaiduなどは、汎用的なビッグモデルの分野で成果を上げているが、いくつかの分野では改善する必要があり、強力なChatGPTも、操作はまだユーザーが手を動かす必要がある。さらに、ChatGPTは中国のユーザーが登録しないと使えないように制限している。ChatExcelは、プログラミングを学んでいない多くの人やフォーム処理の専門的な知識がない人の生産性を解放することができ、フォーム処理の複雑で退屈な作業からすべての人を解放し、ユーザーの効率を向上させる」
「今回公開したベータ版は成熟した製品ではありませんが、100万人以上の公開テストにより、製品の膨大なテキストデータが蓄積されており、後に大規模なモデルトレーニングを輸入して、製品の継続的な最適化を実現することで、ユーザー体験が質的に飛躍する」
ChatExcelにはまだ公になっていない機能もあり、現在も開発の過程でトレーニングを継続中なのだそう。
この若い学生グループと教員の努力のおかげで、「国産AI」それも深圳発のAIとして多くの期待を集めています。
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