2024年11月に、中国本土と香港・マカオ間を頻繁に行き来する住民は深圳湾口岸と珠海拱北口岸にて「書類提示なし」で通関可能になりました。
それに伴い、両口岸では顔認証のみで入境通過が可能となる入出境検査レーンの試験運用を開始しました。対象者は関連書類の提示が不要となり、わずか10秒以内で通過することができます。
「免出示正件」ルートの試験運用開始
中華人民共和国出入境管理局は「免出示正件」(書類なし)ルートを発表し、11月20日より香港に接する深圳湾口岸とマカオに接する珠海市の拱北口岸の二口岸で試験運用を開始しました。
中国本土と香港・マカオ間の人の流れをさらに円滑にし、通関効率を向上させるために対象口岸の検査高速レーンを一部アップグレードし、香港・マカオに頻繁に渡航する人々が「書類なし」チャネルを利用できるようにすることを決定しました。発表内容は(簡略化すると)以下の通りです。
2024年11月20日より、有効な「港澳通行証」および滞在許可証を所持している本土の14歳以上の住民で、親族訪問、ビジネス、人材、その他の目的で有効な複数回の入境スタンプを所持している場合、および香港・マカオ住民(中国国籍以外も含む)で、有効な「港澳居民来往内地通行证」を所持する者は、出入境管理所で顔と指紋を登録後に「免出示正件」ルートを利用できるようになります。通行証申請時に顔と指紋情報をすでに登録している方は申請不要でそのまま「免出示正件」ルートを利用して直接通関することができます。
当ルートを利用した方の入出境記録は、口岸に設置されているセルフサービスの出入境記録検索機で、その地点における直近の出入境記録を印刷することができます。また、身分証明書または旅行書類を最寄りの出入境地点または公安管理部門に持参して記録を検索・印刷することもできます。
旅行書類は携帯必須
とはいえ、手ぶらで入って良いわけではありません。対象旅行者でも渡航時には有効な旅行書類を常に携帯していなければなりません。「港澳居民来往内地通行证」は中国本土における香港・マカオ住民の法的身分証明書なので、中国本土滞在時は携帯する必要が生じます。
中国本土の住民で「免出示正件」ルート利用者は、中国からの出境レーンでは書類提示不要ですが、香港・マカオ入境レーンでは、入境管理局に入出境書類を提示する必要があるようです。
顔認証の通関ルート1ヶ月経過、90万人以上が利用
深圳湾口岸と珠海拱北口岸では出入境検査高速レーンのアップグレードが行われ、88のレーンで顔認証での入境審査通過が可能となりました。通関にかかる時間はわずか10秒以内です。「顔認証」は「書類スキャン」に取って代わり、通関手続きの効率が向上しました。
顔認証通関ルートは開通1か月を迎えましたが、深圳出入境検査ターミナルの統計によると、1か月間で90万人以上が深圳湾口岸の「顔認証」通関ルートを利用し、1日当たりの「書類不要」通関利用者は最大で4万6000人に達しました。
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