12月28日、深セン地下鉄3号線<第四期>が開通しました。
福田・羅湖区の中心地から竜崗区エリアに伸びる当路線ですが、この第四期開通によって鉄道交通の空白地帯と言われていた竜崗区のさらに東側に位置する「坪地片区」を通り、恵州市近くまで届きます。
目次
地下鉄5路線一斉開通
深圳地下鉄開通20周年を迎えた2024年12月28日、以下の5路線が新たに同時開通しました。
地下鉄3号線<四期>「双龙」—「坪地六联」
地下鉄7号線<二期>「西丽湖」—「深大丽湖」
地下鉄11号線<二期>「岗厦北」—「华强南」
地下鉄12号線<二期>「海上田园东」—「松岗」
地下鉄13号線<南段>「深圳湾口岸」—「高新中」
地下鉄3号線(龙岗线)
「龙岗线」とも呼ばれる深圳地下鉄3号線は福田区、羅湖区、竜崗区を縦横断する路線として2010年12月28日に第一期が開通しました。
深圳の中心部から郊外に位置する竜崗区エリアを鉄道交通網に接続した最初の路線として非常に重要な役割を持つ3号線は、2011年6月28日に第二期が開通、そして2020年10月28日には香港に隣接する自由貿易区である福田保税区エリア「福保」駅まで拡張した第三期(南延)が開通しました。
3号線は地上を走行する部分が多いため、深圳の海洋性気候および台風多発地域という気候条件を考慮に入れて車両には高出力の国産空調装置や腐食防止などの技術的措置が施されています。また、3号線はすべての駅に障害者用トイレや点字誘導路などのバリアフリー設備が設置されています。
2017年には地下鉄1号線、4号線、5号線とともに、中国で初めて「女性優先車両」を試験的に導入した最初の路線としても話題となりました。
第四期は7駅が開通、竜崗区の坪地片区へのアクセスが容易に
第四期によって開通したのは以下の7駅です。
- 梨园
- 新生
- 坪西
- 低碳城
- 白石塘
- 富坪
- 坪地六联
3号線第四期の終着点となる「坪地片区」というエリアは長い歴史を持つ客家人の集住地でたくさんの文化遺産がありますが、終点の「坪地六联」駅は恵州市の目と鼻の先に位置しており長らく鉄道交通の空白地帯と言われていました。しかし今回、当路線の開通により交通空白地帯から脱し、周辺地域の交通利便性が大幅に向上します。これで3号線の総延長は52.33キロメートル、全線所要時間は89分となり、深圳東部と中心部が結ばれました。
この「坪地」(pingdi)という地名は、地形が平坦であること、また客家の方言では「平」を「坪」と発音することから生まれたのだそう。
第四期のテーマデザインは「阳光+低碳」
3号線第四期は全線にわたって「阳光+低碳」(陽光+低炭素)が装飾のテーマとして採用されています。路線全体を通して「客家伝統の職人技」が駅構内に適用されており、伝統、人間性、環境保護というデザインコンセプトが強調されています。
「新生」駅のコンセプトは「新生涟漪」というもので、客家人の「水」に対する考え方を視覚化しています。駅構内にある「蓮花形柱」の上部直径は12.8メートルにも上り、現在深圳地下鉄で知られている双曲線柱の中で最大の大きさとなります。
「坪西」駅のデザインは、伝統的な客家織物の技法から着想を得ています。 織物のラインをデザインモジュールとして再構築し、形状と照明レイアウトを組み合わせることで「阳光+低碳」テーマを反映したデザインコンセプトを表現しています。
当駅は地下鉄12号線の「朗下」駅と同じようにプレハブ式の地下鉄駅ですが、こちらは中国で初めて「CHC与球头锁」という独特の建築技術である乾式剛接合方式を採用しています。駅舎の建設プロセスでは騒音、粉塵、汚水が一切発生せず、環境保護の理念を十分に体現した工事となったのだそう。
「白石塘」駅は、「駅城一体化」の設計コンセプトを採用し、地下、地上、盖板の3層からなる立体的な空間を形成しています。
「梨园」駅舎の屋上には太陽光発電システムが設置され、年間発電量は277,000kWhに達し、駅舎で使用される電力の18.75%を賄うことができるようになるのだそう。このように、3号線第四期は環境にやさしい低炭素な地下鉄として注目を集めています。
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