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深セン税関の統計によると、2024年の深センの対外貿易の輸出入額は4兆5,000億元となり、前年比16.4％増。初の4兆元を突破して過去最高記録を更新しました。
そのうち、輸出総額は2兆8,100億元で前年比14.6％増。32年連続1位です。輸入総額は1兆6,900億元で前年比19,6%増加となりました。
目次
2024年の深圳市輸出入規模は広東省のほぼ半分を占める
2024年の深圳市における輸出入規模は広東省のほぼ半分を占め、全国の輸出入総額の10分の1以上を占めています。ほぼ一年を通してライバルとなる上海を上回り、輸出規模は32年連続一位を達成しました。
深圳市の民間企業の輸出入企業は2024年に4万7,000社近くに達し、企業総数の9割近くを占めました。民間企業の輸出入総額は3兆1,600億元（前年比24.2%増）です。また、外商投資企業による輸出入額は1兆1,300億元（前年比1.6%増）でした。
また、一般貿易の輸出入総額は2兆4,700億元（前年比19.2%増）でした。保税物流による輸出入総額は1兆1,600億元（前年比26.5%増）に達しました。
深圳の貿易相手トップ３：ASEAN、香港、米国
深圳の貿易相手トップ3は、ASEAN、香港、米国となりました。トップ３を合わせると全体の42.5%を占めます。輸出入額はそれぞれ以下の通り
- ASEAN：7,515.5億元（前年比22.3%増）
- 香港：7,014.8億元（前年比10.7%増）
- 米国：4,635.2億元（前年比11.5%増）
ASEANは4年連続で中国最大の貿易パートナーとしての地位を維持しています。また、台湾（前年比20.7%増）、韓国（前年比23.6%増）、日本（前年比17.5%増）との輸出入も増加しており、輸出に至っては中南米（前年比26.3%増）、アフリカ（前年比16.5%増）が注目されています。
電子機械製品の輸出額は2兆元に到達
2024年に電気機械製品の輸出額は2兆元（前年比12.1%増）に達し、これは深圳の輸出総額の71%を占めています。このうち、「老三样」と呼ばれる携帯電話、コンピュータ、家電製品といった従来の電子製品の輸出額は3,774.3億元（前年比6.8%増）です。一方、「新三样」と呼ばれるリチウム電池、電気自動車、太陽光発電製品の輸出額は996.9億元（前年比11.5%増）でした。
深圳の電気自動車といえば筆頭に上がるのがBYD。2024年のBYD（比亚迪汽车工业有限公司）新エネルギー自動車輸出総数は40万6,000台（前年比68%増）に達したとのこと。輸出先は90以上の国と地域に及んでいます。
バイオ医薬や低空経済などの戦略的新興産業も前年比15.1%増と伸長しています。特に低空経済の分野においてはドローンの輸出額が145.7億元（前年比19.5%増）となり、医療機器の輸出額は298.6億元（前年比12.3%増）となりました。
超音波医療画像診断装置などの製品を170以上の国と地域で販売している深圳开立生物医疗科技股份有限公司は、米国とドイツに研究開発センターを設立するなどして、海外市場に合わせてサービスを展開しています。
AI・ビッグデータ応用に関連した集積回路の輸入が増大
輸入に関しては、AIやビッグデータ応用などの産業の発展により、電気機械製品が1兆3,500億元（前年比 21.5%増）でした。そのうち、集積回路の輸入額は6,854.9億元（前年比10.3%増）でした。コンピュータ部品は2,670.4億元（前年比141.8%増）でした。半導体製造設備は399億元（前年比32.1%増）でした。
貿易保護主義が台頭する2025年の方向性は？
このように2024年は好成績の状態で締めくくられましたが、2025年の対外貿易はアメリカのトランプ新政権発足により楽観視はできなくなりました。貿易保護主義が台頭し、国際情勢は波乱含みです。多くの不利な要因が積み重なり不確実性も高まっているため、業界関係者はリスク耐性を高めるために努力するしかない、と語っています。
2024年末に開催された中国共産党主催の中央経済工作会議では、「外部情勢がどのように変化しようとも、対外開放を断固として拡大しなければならない」との方向性が語られています。深圳市は技術革新を推進し、「高端化、绿色化、智能化」（ハイエンド、グリーン、インテリジェント）な製品の輸出を促進するとともに、中東、東南アジア、中央アジア、アフリカ、中南米などの新興市場や新たなブルーオーシャンを開拓しようとしています。
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