
1月15日、深セン市をはじめとする中国各都市で外国人就労許可証と社会保障カードが統合された新しいカードの発行が始まりました。また「デジタル社会保障カード」アプリの運用も開始され、中国で就労している外国人の利便性が向上します。
外国人就労許可証と社会保障カードの統合

2024年10月、中華人民共和国人力资源和社会保障部は《关于做好外国人工作许可证与社会保障卡融合集成工作的通知》「外国人就労許可証と社会保障カードの統合に関する通知」を発布しました。これは2024年12月1日より、中国国内における外国人就労許可証の情報を社会保障カードに搭載し、物理社会保障カードとデジタル社会保障カードを提供するという取り決めです。
外国人就労許可証と社会保障カードは、中国に来る外国人にとって重要な証明書です。もともと、中国で働くために来る外国人は、これらを別々に申請する必要がありました。申請者は2つの部署を訪問し、何度も書類を提出して情報を記入しなければならず、申請プロセスには約1か月を要しました。この政策が実施されると、そのような面倒な申請をする必要がなくなります。

当政策により、外国人は「外国人来华工作管理服务系统」(外国人労働許可証管理システム)を利用してオンラインで労働許可証の申請、延長、変更、取消を行うことができます。また、このカードによって、社会保障、医療、医薬品購入、文化観光、交通、金融消費などの様々な分野でサービスを受けることができ、中国で働く外国人に利便性を提供します。
このカードがあれば身分を明らかにできるため、パスポートを提示する機会は減ることになります。とはいえパスポートは随時携帯した方が良いでしょう。
一方、すでに外国人就労許可証を所持している人は、現在の就労許可証の更新または変更時期まで待つ必要があります。更新のタイミングで、カード統合のための新しい手続きが行われます。
「一卡通」とも呼ばれるこの統合カードの機能はエリアによって異なるようです。例えば、広州のカードは、外国人に公園への入場、高齢者用食堂の利用、公共交通機関の利用などの機能を提供しています。深圳のカードには全国330以上の都市の公共交通機関や地下鉄でも利用可能な交通カードの機能を備えており、「深圳通」アプリと連携しています。
「デジタル社会保障カード」アプリ

外国人就労許可証と統合された社会保障カードを受け取ると、外国人労働者は労働許可証情報が記載されたデジタル社会保障カードも利用できるようになります。
まず、スマホで「電子社保卡」(デジタル社会保障カード)アプリをダウンロードし、氏名、就労許可証番号または社会保障カード番号などの情報を入力して登録します。実名・本人認証を受けた後、就労許可情報が記録されたデジタル社会保障カードを利用することができるようになります。
深圳市は対応銀行を順次拡大中

深圳市を含む広東省のいくつかの地域では、2025年1月15日より就労許可証を統合した物理社会保障カードの新規発行手続きを開始しました。
深センで働く外国人は、最初のパイロット銀行である中国銀行深セン支店の146のサービス窓口で、就労許可証の付いた社会保障カードを申請することができます。今後は対応銀行を順次増やしていく予定です。加えてオンラインでも申請でき、申請後10日以内に統合された社会保障カードが自宅に届けられるようです。
今回の取り決めは中国全土で就労する外国人にメリットがあるものですが、深圳市は今後もハイレベル外国人人材を導入すべく試験プロジェクトを開始しています。例えば、外国人人材に対するビザ取得の簡素化を推進し、「高度な技能を持ち、不足している人材」に当てはまる外国人を対象としたRビザを提供しています。また、外国人の就労許可および居住許可の承認プロセスを最適化し、外国人人材が投資や起業、講義や交流、経済・貿易活動に参加する際の入出国の簡素化、また永住権取得の簡素化を検討中です。
Source:
人力资源社会保障部关于做好外国人工作许可证与社会保障卡融合集成工作的通知
广东科技:外国人工作许可证与社保卡二合一,广东发放首批实体卡!
ShenzhenDaily:SZ issues first 'Join in Card' for expats 深圳发出首张外国人实体融合卡
深圳特区报:在深外国专家领到首批工作许可和社会保障融合集成卡