深セン市内一部地下鉄駅でヒューマノイドロボット試験運用開始

DeepSeekやManusなどの中国発AIが世界的に話題を集める中、深センではヒューマノイドロボットが市内で姿を現し始めています。

地下鉄駅「岗厦北」構内では、ついに人型警備ロボット「TORA-ONE」が試験運用を開始しました。深セン市は「世界クラスのロボット産業集積地」となるべく企業を育成し、サプライチェーンを強化しています。

ロボット開発会社は深センのスタートアップ企業「PaXiniTech」

ヒューマノイドロボット「TORA-ONE」開発会社の名称は、帕西尼感知科技(深圳)有限公司(PaXiniTech)です。公式サイトによると、当社は多次元触覚認識をコアとする次世代の商業用ヒューマノイドロボットを開発しています。人間の最も重要な感覚は触覚と言われますが、この人間の指先と同等の敏感な多次元触覚認識能力をロボットに付与しているのだそう。

同社の創設メンバーは、世界初のヒューマノイドロボットを生み出した早稲田大学ロボット研究所出身者で構成されているそうです。視覚と触覚のマルチモーダル知覚モデルと最先端のアルゴリズムをベースに、HAPTA(Hetero-Array Probing Tactile Architecture)ハードウェアとソフトウェアアーキテクチャを搭載した世界初のITPU(Intelligent Tactile Processing Unit)やヒューマノイドロボットTORA-ONE、触覚器用ハンドDexHシリーズを発表し、対応分野はヘルスケアおよび医療、工業生産、家電製品など多岐にわたりカバーしています。

PaXini 公式サイト

36Kr Japan "まるで人間の手" 中国スタートアップ「PaXini」が起こす人型ロボットの触覚革命

岗厦北駅構内に登場したセキュリティロボット「TORA-ONE」

今回、PaXiniTechは深圳地下鉄と提携してセキュリティロボット「TORA-ONE」を、「深圳之眼」として知られる地下鉄(2/10/11/14号線)岗厦北駅構内の保安検査に用いる試験的な取り組みを始めました。

TORA-ONEは乗客がバックパック、荷物、液体のいずれを持っているかを自動的に識別し、それに応じて誘導します。荷物を持っている乗客には荷物をセキュリティチェックに通すよう促し、液体を持っている乗客には液体の検査を受けるよう促します。

「触覚センサー」は、ロボット産業の発展における長年の課題となっていましたが、同社が独自開発したITPU高精度多次元触覚センサーにより、精密機器の操作をはじめとする複雑な作業を達成することができるようになりました。そしてTORA-ONEに搭載された多次元触覚バイオニックハンドにより、高い自由度と柔軟性を実現します。ITPU高精度多次元触覚センサーユニットはTORA-ONEに2,000個近く搭載されており、8メガピクセルのAIハンドアイカメラと組み合わせて物体を認識します。

深圳市政府は「政府機関および国有企業に対して、AIとロボット工学の全範囲、フルタイム、フルシナリオでの開放を推進し、2025年までに100以上の応用シナリオを開拓する」という提案をしており、今回の取り組みはヒューマノイドロボットが研究室から出て人間社会で活躍する画期的な一歩となります。

深圳市は「世界クラスのロボット産業集積地」を目指す

調査によると、広東省のロボット関連企業は16万社を超え、全国第1位です。中でも深圳市のロボット関連企業は6万社近くあり、実に広東省全体の37.15%を占めているのだそう。

南山区には現在、200社以上のロボット産業の中核企業があり、その中には14社の上場企業30社以上の専門性と革新性に優れた企業が含まれています。当エリアにおけるロボット産業の成長力は南山区経済の分野においても大いに期待されています。

ヒューマノイドロボットが様々な分野で実用化されていることは、広東省の《建设现代化产业体系2025年行动计划》(2025年近代産業システム構築行動計画)における戦略計画「ヒューマノイドロボットやその他の身体化インテリジェントロボットを積極的に開発し、インテリジェントロボットの応用分野におけるイノベーションを積極的に推進する」の方針にも表れています。深圳市政府はヒューマノイドロボットの分野において、教育、家庭、医療健康、工業製造、警備パトロール、緊急救助、災害救援の各分野において製品の応用を試験的に実施することを推進しています。

例えばヒューマノイドロボット開発分野で先頭に立っているUBTECH社は、産業用ヒューマノイドロボット「Walker S1」モデルを、アウディ一、BYD、BAIC BJEV、フォックスコン、SFエクスプレスといった企業に実習用機器として導入している模様です。

深圳市科技创新局は、《深圳市具身智能机器人技术创新与产业发展行动计划(2025-2027年)》を3月初旬に発表しました。それによると、2027年までに具現化知能ロボット産業クラスターに関連する企業が1,200社を超え、関連産業の規模が1,000億元を超えるという提案がされています。深圳市は「世界クラスのロボット産業集積地」を目指しており、家庭用ロボット(介護、家事支援)、産業用ロボット(製造、物流、農業)、特殊用途ロボット(災害対応、医療手術)などの分野で中核技術を持つ企業を重点育成し、部品・ソフトウェア・システムのサプライチェーンを強化することや、ロボットを活用することによって高齢化・労働力不足の解決や、スマートシティ・DX推進に貢献していくといった展望を抱いています。


Source:

PaXiniTech 帕西尼感知科技:帕西尼携手深铁集团,人形机器人TORA-ONE开辟智慧安检新场景

广东科技:深圳产具身智能机器人TORA-ONE实现多项突破

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