深セン市、2025年のGDP成長率目標を5.5%に設定

2月25日、深圳市は2025年の国内総生産(GDP)目標値を5.5%に設定すると発表しました。同時に2025年の青写真も概説され、経済成長を促す様々な施策や目標が掲げられました。

また、2024年の各区におけるGDPランキングも公開されています。一位の南山区GDPは2025年に悲願の一兆元超えが確実視されています。

2025年の経済・社会発展に関する期待目標

2025年の深圳市におけるGDP成長率目標は5.5%と設定されました。第14次5ヵ年計画(2021年~2025年)の最終年となる今年の社会経済発展の主な目標は以下に列挙されます。

  • 市の一般公共予算収入の3%増
  • 個人所得の成長と経済成長の一致
  • 消費者物価指数(CPI)の約2%増
  • 200,000件の新規雇用機会の創出
  • 大規模な設備更新と消費財の下取りを促進
  • インフラのレイアウト、構造、機能、開発モデルの最適化
  • 対外貿易の強化
  • 一帯一路構想に関与する国々(ASEAN、中東、アフリカ、中南米など)との協力関係を発展
  • 研究開発費の二桁成長を維持
  • 新興企業や中小企業から世界規模の企業へとビジネスを育成する段階的な開発枠組みを強化
  • 電子情報製造業、自動車、新エネルギー、人工知能、低高度経済、航空宇宙、生物医薬などの分野における主導権を獲得
  • 「若者中心の都市開発」を加速し、若者によるイノベーションと起業を推進
  • 潜在的な新興企業やプロジェクトチームを発掘、追跡、支援するメカニズムを構築

2024年深圳市内各区GDPランキング

2024年深圳各区GDPランキング(推定値のため羅湖区と塩田区の数値は文面と異なります)Image via 数字经济论坛

1位:南山区:9,500.97億元

「中国で上場企業が最も密集する地域」と呼ばれている南山区。2024年の南山区のGDPは9,500.97億元で、前年比4.1%増加となりました。成長率は全国平均を下回っていますが、第五次经济普查で南山区の2023年経済総生産額は8,566.02億元→9,067.73億元へと大幅に上方修正されました。そのため2024年における実際のGDPはもっと高いと言われています。また、2025年に南山区のGDPが一兆元を突破することはほぼ確実とされています。

2位:福田区:5,948.82億元

福田区における2024年GDPは5.948.82億元でした。第五次经济普查で福田区の2023年経済総生産額は5,514.5億元→5,704.55億元に修正され190.05億元増加したため、2024年における実際のGDP成長率は少し高くなります。

金融を軸とする福田区の経済発展は平均的な推移を見せていますが、過去2年間の金融業界の激変を生き抜いた福田区は回復傾向にあると見られているようです。

3位:竜崗区:5,901.27億元

竜崗区における2024年GDPは5,901.27億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は5,043.03億元→5,532.19億元に修正されたため、2024年における実際のGDPは南山区同様大幅増加となります。竜崗区内には華為本社があり、GDPも華為に依存している節がありましたが、近年の華為は復活の兆しを見せているだけでなく、BYDも竜崗区に投資を拡大している点が数字にも表れたようです。

4位:宝安区:5,300.43億元

宝安区における2024年GDPは5,300.43億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は5,202.01億元→約5,000億元に修正され、約200億元の減少となりました。そのため2024年における実際の増加額は約300億元となります。数年前までの宝安区は福田区を追い抜く勢いでしたが、その勢いは失われており竜崗区との差も広がっています。

5位:竜華区:3,154.45億元

竜華区における2024年GDPは3,154.45億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は3,010.72億元→3,018.61億元に修正され、7.89億元増加しました。設立当初の竜華区は、光明区や坪山区のように深センの製造拠点となる可能性がありましたが、「福田の裏庭」という立ち位置で、深圳北部に高級感あふれる国際ビジネス地区を計画しました。しかし国内の産業構造の調整に伴い、ハイテク産業の発展に再び重点を置くようになりました。結局、竜華区の産業配置は混乱していると指摘されています。

6位:羅湖区:約2,150億元(推定)

羅湖区における2024年GDPは約2,150億元で、2023年から約50億元の増加と予想されています。(羅湖区は具体的なデータを発表していないため、当データは分析に基づく推測となります)かつては深圳の中心地だった羅湖区ですが、今は落ち着いています。とはいえ近年は香港からの消費ブームに助けられており、ここに新たな道筋を見出しています。

7位:光明区:1,721.3億元

光明区における2024年GDPは1,721.3億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は1,526.6億元→1,609.2億に修正され、82.58億の増加となりました。光明区は2018年から追加の政策支援を受けており、新しい都市建設を続けていますが、どのくらいの経済効果が出るかは未知数です。

8位:坪山区:1,443.76億元

坪山区における2024年GDPは1,443.76億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は1,329.89億元→1,333.22億元に修正され、3億3,300万元の増加となりました。東の隅に位置する坪山区ですが、エリア内にはBYD本社があり、周辺のサプライチェーンは活況を呈しています。新エネルギーの波に乗り3年連続で深センで最も成長著しい地区とみなされている坪山区の経済は順調です。

9位:塩田区:約800億元(推定)

塩田区における2024年GDPは約800億元で、GDP増加分は約50億元とされています。(塩田区は具体的なデータを発表していないため、当データは羅湖区同様分析による推測となります)塩田区は世界トップ10に入る塩田港があり、2024年のコンテナ処理能力は1,500万TEU超、海上漁業や海運経済も活発です。

10位:大鵬新区:466.61億元

大鵬新区における2024年GDPは466.61億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は440.74億元→448.33億元に修正され、7.59億元増加しました。深圳の観光名所として独特の立ち位置にある大鵬新区は、沿岸資源を活用して観光業と海洋産業を発展させ、2024年には1,900万人の観光客が訪れる見込みです。

11位:深汕合作区:242.15億元

深汕合作区における2024年GDPは242.15億元。第五次经济普查で2023年経済総生産額は124.59億元から140.51億元に修正され、純増額は15.92億元となります。実は深汕合作区にはBYDの工業団地プロジェクトが進行中で、3つ目の工場も建設中です。

2024年区別GDPランキング:上海市の浦東新区が一位

ここ数年の中国国内における区単位のGDPランキングは以下の通り

  1. (上海市)浦東新区
  2. (北京市)海淀区
  3. (深圳市)南山区
  4. (北京市)朝陽区
  5. (天津市)浜海新区
  6. (広州市)天河区
  7. (北京市)西城区
  8. (深圳市)福田区
  9. (深圳市)宝安区
  10. (深圳市)竜崗区

2024年、上海市浦東新区のGDPは1兆7,752億2,800万元に達し、天津市の全市総生産額に迫る勢いとなりました。2位の北京市海淀区は、2024年の詳細なデータをまだ発表していませんが、恐らく1兆2,000億元を超えると推定されています。4位の北京市朝陽区のGDPは9,230.1億元。広州市天河区のGDPは6,614.69億元でした。

2025年は各市ともども経済成長をうながすべく様々な施策を展開しています。米中関係が予断を許さない中、どのような推移を辿るのか注目です。


Source:

湾区书院:官宣!深圳南山区2024年GDP达9500.97亿元,增长4.1%!深圳将诞生首个“万亿城区”!

楼市深度:2024年深圳各区GDP大洗牌!谁在狂飙?谁在掉队?

ShenzhenDaily:City sets 2025 GDP growth target at 5.5% 2025年深圳经济增长目标:5.5%!

数字经济论坛:深圳各区GDP总量与增速对比

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