
中国のデリバリー大手「美団」は、香港におけるドローン配送を開始します。
山や海で隔てられ、複雑な地形も多い香港ではドローン配送サービスのニーズが高まっており、現在配送ルートの調整が進められています。第一弾のドローン配送商品にはマクドナルドやピザハットなどの大手ブランドが加わる予定です。
香港の山や海を越える配送課題に対する新たなソリューション

3月20日、香港特別行政区行政長官の李家超氏の離陸命令により美団の配送用ドローンが香港科技大学に着陸しました。これにより、香港初の美団ドローン定期路線の開設に向けたカウントダウンが始まりました。

環境に優しく省エネで効率的なドローン配送は、香港市場のニーズにも合致しています。
現在、美団のドローンは香港低空経済発展作業グループと香港での配達飛行の調整について協議中です。最初の飛行は香港科學園白石角海浜長廊から離陸し、対岸の馬鞍山公園に着陸するルートを予定しています。配送ルートはユーザーの需要が高く従来の配送モデルでは不便な地域に重点を置いているのだそう。

馬鞍山公園から香港科學園の白石角海浜長廊(遊歩道)までの直線距離はわずか1.8キロですが、間を隔てている海や公園の地形を考慮すると、自転車での移動距離は7.8キロとなり所要時間は約40分もかかります。香港には、陸地の60%以上を占める山や海など特殊な地形が数多く存在し、多くの景勝地や公園など閉鎖された空間も多く、道路での配送が困難です。この複雑な地形での配送問題を解決するため、美団は香港でドローンの利用を推進しています。
香港マクドナルド、ピザハットなどがドローン配送に加わる予定

美团无人机(美団ドローン)は2017年に設立され、2024年12月末の時点で、深セン、北京、上海、広州、南京などの都市で53路線を開通。累計注文数は45万件を超えています。サービスはオフィス、コミュニティ、観光地、市立公園、キャンパス、図書館、口岸など、さまざまなシーンをカバーしており、9万種類以上の商品をユーザーに届けることができます。
2024年11月、香港運輸及物流局から「香港低空经济监管沙盒发布」(香港低空経済規制サンドボックス)がリリース後、美団ドローンはいち早く申請を行い、ドローン配送の安全性、スケジュール管理能力、プライバシー保護、通信能力などに関する詳細な運営計画、テストレポート、第三者検査証明書を提出した結果承認され、プロジェクトの一社に選ばれました。
現在、美団のドローンによる最初の配送ルートに関する準備作業は基本的に完了しており、最終的な承認待ちの状態です。香港マクドナルド、ピザハットなどの有名ブランドが、美団のドローン配送サービスに加わります。
美団の出前プラットフォーム「Keeta」から香港や海外に展開中
現在、香港の宅配サービスプラットフォームは統廃合が進んでいます。

今年3月10日、香港で21%のシェアを持っていた英国の宅配プラットフォーム「Deliveroo」は、香港市場からの正式撤退を発表しました。Deliverooは4月7日をもって業務を停止し、同じく香港で35%のシェアを持つ「Foodpanda」に一部の資産を売却します。(Uber Eatsは2021年に撤退)
一方、2023年には美団を親会社とするプラットフォーム「Keeta」が香港に進出。Keetaは低価格配送を武器にシェアを伸ばしており、2024年3月時点での香港におけるKeetaの市場シェアは44%となっています。
Keetaは海外市場にも積極的に進出しており、過去1年間でサウジアラビア市場を電光石火の勢いで開拓してきました。また、2024年12月17日にドバイ民間航空局は美団ドローンにBVLOSドローン配送の商業運営資格証明書を同地域で初めて発行するなど急速な進展を見せています。
今回、美団ドローンはニーズに応えるため、香港の現地にドローン事業体を設立し、研究開発センターを設置する予定です。ここ香港でも技術人材を募集すると同時に、低空経済分野における香港の学術機関との共同研究も進める模様です。
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